fc2ブログ

写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

奇跡の夜

TET04273.jpg

ピークへ登りきると、シロクマは視界から消えた。
もうこれで終わりかな?と思っていると、船長が気を聞かせて、後ろの湾へ回り込んでくれるという。
エンジン音が響き、シロクマを追った。
大きく弧を描いて進んでいくと、さっきの山の背後に、雪面を歩く姿が見えてきた。
それに合わせて、船を並走させる。
その時だ。
シロクマが突然斜面で仰向けになり、そのまま滑り始めた。
TET04203-2.jpg

そして20mほど下ると、体を反転させて、今度はヘッドスライディングの姿。
TET04207-3 (2)

まるで空飛ぶスーパーマンだ。
IMG_6930.jpg

シロクマ研究者のPJも、目を疑った。
体が暑くなり過ぎたための、クールダウンなのか? 
それとも単に遊びだったのか?
現在も、シロクマの行動は、謎が多いと教えてくれた。
シロクマはただ可愛いだけじゃない。沢山のネタと技を持っていた。
素晴らしい夜。
白夜の斜光線が雪面を照らし、彼らの影が大きく浮かび上がった。
           ノムラテツヤ拝
TET04437.jpg
ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン人気ブログランキングへのクリックをお願い致します!以下のライオンボタンの上でクリックしてみて下さい。吠えます!
人気ブログランキングへ

テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

北極 | コメント:0 | トラックバック:0 |

無尽蔵な体力

TET03569.jpg

深夜11時、船内アナウンスが響いた。
「シロクマが現れました。3時の方向、浜辺を歩いています」
眠ろうとしていた時だったので、慌てて防寒具を着込み、カメラを手にした。
デッキへ出ると、1キロくらい先の浜辺から熊が山へ向かって歩き出している。
超望遠にレンズを付け替えて狙った。
雪原に大きな足跡をつけながら、シロクマは時折、チラッとこちらを見る。
首が長くお尻も大きい。間違いなく雄の立派な成獣だ。
それにしても、どうだろう? この涙が出るほどの、果てなき大自然は。
TET03893.jpg

山頂付近は雪が深くなり、傾斜も強くなってくる。熊はペースを落とさず上っていくが、アイスクライミングのような急傾斜となったところで、たまらず休憩。
「俺だって、体力の限界っていうもんがあるんだよ!」
まるでそう言っているかのように、口をパクパクとさせた。
TET03931.jpg

それでも、20秒ほど休むと、またブルトーザーのように勢いよく駆け上がり、ピークを越えていった。
僕はこれから起こる「奇跡の光景」を、まだ知る由も無かった。
            ノムラテツヤ拝
TET03947.jpg
ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン人気ブログランキングへのクリックをお願い致します!以下のライオンボタンの上でクリックしてみて下さい。吠えます!
人気ブログランキングへ

テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

北極 | コメント:0 | トラックバック:0 |
| ホーム |