極北の力2018-07-01 Sun 16:46
![]() 北極の海を泳ぐシロクマを見つけた。 器用に頭を持ち上げ、悠々と泳いでいく姿は、まさに動物界のアスリート。歩くのも早ければ、泳ぐのも得意なのだ。 ![]() 40分くらい追ったところで、姿を見失う。皆、デッキから夕食へと降りていくが、さらに粘ることにした。 僕は北極に食事にしに来ているわけではない。憧れの彼らと出来るだけ人生の時間を重ねたいと思い、今、ここにいる。 20分ほど経っただろうか・・・。シロクマの研究者BJが、低く通る声で、「見つけた。11時の方向、あの雪の上だ」。 焦点を合わせると、シロクマはローリングしたり、雪をかぶったりしている。長距離遊泳のため、体がほてってクールダウンしているかと思っていたら、どうやら違うらしい。BJ曰く「海の塩が付いたままだと、体が冷えてしまうんだ」。 ![]() お腹、背中、足、腕、そして顔。まるでネコが毛づくろいするように、丁寧に落としていくというのだ。 足を上げたり、ヨガのようなポーズをとったり、雪のボールを持って、顔をゴシゴシと拭いてみたり。それらを見ているだけで、激しく抱きしめたくなってしまう。 ![]() 世界126ケ国の自然や動物を撮影してきたが、ここまでユーモアのある愛らしい生き物は、未だかつて会ったことがなかった。 これから命を結ぶその日まで、目を閉じれば、いつでもこのシロクマを感じることが出来る。それは何と豊かなことだろう。 極北(Far North)の旅は、今までの自分を激変させる不思議な力を持っていた。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
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