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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

現実という面白さ

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「事実は小説よりも奇なり」。
それは、北極で体験した摩訶不思議な一日だった。
久しぶりに晴れ上がった朝、僕たちを乗せた船は大分南へ下がってきた。
山肌の雪も溶けかかり、そこに一頭のシロクマが出現。北で見ていたものよりも、毛に土が付いているため茶色っぽい。超望遠レンズで拡大すると、顔の周りが血で染まっていた。アザラシでも仕留めたのだろう。
背後には、壮大な山並みが続き、僕が最も好きなシチュエーション。写真は、背景が全てを決める。一頭のシロクマが生きていける、大自然。それらを一枚に封じ込めることが出来た。
そんなシロクマに船内が沸く中、リーダーのウディが「ゾディアックを使って更に近づきます」とアナウンス。エンジン付きボートに乗り込んで、シロクマを追った。
太陽光が雲間から差し込み、毛が黄金色に。
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そして歩みを止めたかと思えば、まさかの正座。そして瞑想するような顔をこちらに向ける。
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これはリアルか? 
あまりの非現実さに、自分のほっぺをつねってみる。そうこうしていると、今度は氷河の年輪が刻まれた下で、それらをじっと見つめる。
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やがて、満腹になったのか、少し疲れたのか、雪の中にどっかりと腰を落ろし眠り始めた。
ここからが見もの。何も知らないトナカイの群れが、その眠るシロクマへ向かって、一直線で歩き始めたのだ。
満腹のシロクマ対トナカイの群れ。まるで小説のワンシーンが、これから繰り広げられようとしている。その結果に、僕は腰を抜かすことになるのだが。
       ノムラテツヤ拝
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

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