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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

中秋の名月

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中秋の名月があがってきた。
空気に透明度が増す秋の彼岸、一年で最も美しい月と言われる所以だ。
それにしても、嫉妬したなぁ。普段、誰が何をしようとも、嫉妬に不感症な僕が、心がねじられるように羨ましいニュースを聞いた。
ZOZOTOWNの前澤社長が、民間人として初めて月へ行くと宣言した。それも芸術家5~6名を連れて。
僕たちの世代が死ぬまでに、きっと地球を外から眺めることは比較的容易になってくるだろう。でも38万キロ離れた月までとなると話は別だ。
「僕も行きたい!!!」
黄金色を放つ、美しき月へ。前澤社長に、どうやって売り込めばいいのかしら?
秋の夜長に、そんなことを真剣に考えている。
            ノムラテツヤ拝   
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日本 | コメント:1 | トラックバック:0 |

ブルーフラッシュ

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S保護区からの帰り道、広く大きな青空が広がった。
大都市ケープタウンに向かうにしたがって、ゆっくりと日が落ちていく。速度を少しだけあげ、いつものシーポイントへ。
「出ますかね?」
「ベアを喜ばせるために、俺がいるからな。出ます、出します、出させます」
と格好良いひろちゃん。
「何が出るの?」。ベアさんはきょとんとしながら、浜から夕陽を眺めた。太陽の最後の光が水平線から消えようとするその瞬間、上部が緑色にゆらゆら煌めいた。
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「グリーンフラッシュ」。この光を見ると、生涯幸せになれるという吉光だ。でも、今日はひろちゃんの愛もマックスとなり、更に色づいていく。ファインダーから初めての色彩が砕け散る。
青???
光の両脇に、青色の光が立ち上がった。
「ブルーフラッシュ」。
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今まで50回以上グリーンフラッシュを見ているが、こんな風に青く見えた事は一度として無い。
「どうだ、見たろ? 俺の愛の力を!」と胸を張るひろちゃんに、「私が死ぬまで、お願いね!」ベアさんが、茶目っ気たっぷりに、呟いた。
           ノムラテツヤ拝
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南アフリカ | コメント:0 | トラックバック:0 |

ゾウのうた

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ゾウが真っすぐこちらへ歩いてくる。
ザッザッと、玉砂利を蹴る音が重奏し、それに比例するように僕の胸も高鳴る。3,2,1m、まさに目の前を横切る瞬間、その深みのある茶色い瞳に吸い込まれた。
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僕は以前に、この瞳を見たことがある。目を瞑って記憶を探ると、それは海の王者クジラと氷の王者シロクマだった。食物連鎖の最上位に立つと、その強さゆえか、優しさゆえか、瞳が慈悲深く見えてしまう。
ライアルワトソン著の「エレファントム」では、南アフリカのナイズナの森に生きるゾウが、南部に広がる海へ旅をする。そして大海原を見下ろす崖上から低く喉を鳴らすと、海が割れ、そこから漆黒の巨体が姿を見せた。マッコウクジラだった。クジラは飛沫を上げて、海の中でクリック音を響かせ、優雅に歌うと、その振動を感知し、ゾウも体を震わせて歌った。時間にして、わずか数分の出来事だったという。
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「陸の王者」と、「海の王者」。彼らにだけ共有できる立場と愛の深さがあるかもしれない・・・。という一文で本は結ばれている。
もし同じ瞳をしたシロクマがその場にいたら、三位一体の愛の歌が交わされるのだろうか。想像するだけで、涙が溢れそうになる。
             ノムラテツヤ拝
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南アフリカ | コメント:0 | トラックバック:0 |

ホワイトライオン

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ライオンがオリックスを狩った。
無線にそんな情報が飛び込んできた。
すぐさまジープを向けたが、見つけたレンジャーの話では、オリックスの首根っこを掴んで、葦原の中に引きずり込んだという。
葦原の前に車を寄せると、一か所だけ葦が揺れるところがあった。姿は見えないが、間違いなく、あそこにライオンが。時折、ガリッ、ガリッと骨を砕くような音が聞こえてくるだけ。
ようやく2年ぶりに会えるとワクワク待っていると、「新しく移入されたライオンはとても狩りが上手いんだ」とレンジャー。
「えっ、どういうこと?」
「3年前に移入されたライオンの話だけれど」
「まさか、3年前はまだ小さかった、黄色いライオン?」
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「そうそう、あの子が大きくなって、今は狩りの名手さ」
「じゃぁ、ホワイトライオンは何処にいるの?」
「今は、新たにメスを入れたから、殺されないように、オスのホワイトライオンと一緒に慣れさせているんだ」
言っている意味が分からない、という顔をしていたのだろう。
「多分、ここで待っていてもライオンは出てこないから、テツヤの会いたがってるホワイトラインのところへ連れていくよ」
そこは、日当たりの良い一区画。周りは5mほどの網に囲まれた中に、メスのライオンが寝そべっている。そしてその向こうに、あの純白のオスライオンが。立ち上がり、こっちをジッと見つめていた。この2年でさらにたてがみを伸ばし御立派に。まさにジャングル大帝レオの風貌だ。
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「こんなところに閉じ込められて可愛そうに」と思っていると、レンジャーが「そろそろ、メスと慣れてきたから、あと一か月くらいで、二頭とも外に出されるという話だ」。
そっか、この奇跡のような野生保護区を営むために、また下の代にその血を受け継がせるために、僕らの知らない所で色々な気が使われているのだ。
次来た時は、また外を元気に走り回っている君に会えるね。
手を振ると、ホワイトライオンは、大きなあくびをした。
ノムラテツヤ拝
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キリンのひかり

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今まで50人以上の方々をサファリに連れ出しているが、その中で意外な人気を誇るのがキリンだ。
動物園にいるキリンを想像して、サバンナへ出ると、キリンの持つその煌びやかな輝きに心を鷲掴みにされる。そして皆、同じことを想う。
「今まで見ていたキリンは、一体なんだったのだろう」と。
可愛いサイを見送り、更に奥へ進んでいくと、森の中に一頭のキリンが。近づくと棘のあるアカシアの葉をムシャムシャと美味しそうに食べていた。
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これは雄。
キリンの雄雌の違いは簡単。頭の上にある主角の先端が黒いのが雄、毛に覆われて茶色いのが雌だ。
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体には見事な編み目模様が広がり、斜光線が当たると柔らかく浮かび上がる。
僕もキリンが好き。じーっと見つめてくる、まあるく大きな瞳が大好き。
               ノムラテツヤ拝
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