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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

ホワイトライオン

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ライオンがオリックスを狩った。
無線にそんな情報が飛び込んできた。
すぐさまジープを向けたが、見つけたレンジャーの話では、オリックスの首根っこを掴んで、葦原の中に引きずり込んだという。
葦原の前に車を寄せると、一か所だけ葦が揺れるところがあった。姿は見えないが、間違いなく、あそこにライオンが。時折、ガリッ、ガリッと骨を砕くような音が聞こえてくるだけ。
ようやく2年ぶりに会えるとワクワク待っていると、「新しく移入されたライオンはとても狩りが上手いんだ」とレンジャー。
「えっ、どういうこと?」
「3年前に移入されたライオンの話だけれど」
「まさか、3年前はまだ小さかった、黄色いライオン?」
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「そうそう、あの子が大きくなって、今は狩りの名手さ」
「じゃぁ、ホワイトライオンは何処にいるの?」
「今は、新たにメスを入れたから、殺されないように、オスのホワイトライオンと一緒に慣れさせているんだ」
言っている意味が分からない、という顔をしていたのだろう。
「多分、ここで待っていてもライオンは出てこないから、テツヤの会いたがってるホワイトラインのところへ連れていくよ」
そこは、日当たりの良い一区画。周りは5mほどの網に囲まれた中に、メスのライオンが寝そべっている。そしてその向こうに、あの純白のオスライオンが。立ち上がり、こっちをジッと見つめていた。この2年でさらにたてがみを伸ばし御立派に。まさにジャングル大帝レオの風貌だ。
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「こんなところに閉じ込められて可愛そうに」と思っていると、レンジャーが「そろそろ、メスと慣れてきたから、あと一か月くらいで、二頭とも外に出されるという話だ」。
そっか、この奇跡のような野生保護区を営むために、また下の代にその血を受け継がせるために、僕らの知らない所で色々な気が使われているのだ。
次来た時は、また外を元気に走り回っている君に会えるね。
手を振ると、ホワイトライオンは、大きなあくびをした。
ノムラテツヤ拝
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

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