太極拳一家2018-11-13 Tue 20:10
![]() 「今回は私の娘も参加しますので」 山田師範からそう言われ、会うのを楽しみにしていた。 名前は、みよちゃん。 今回の参加者は昔、若者だった女性が多いが、写真のみよちゃん(右)とゆいちゃん(左)のお陰で、平均年齢を大分下げてくれた。 みよちゃんと話してみると、山田師範の私生活が赤裸々に語られる。良いの?良いの?と幾度も確認するが、みよちゃんは構わず飛ばす。 「私、太極拳しないので」 まるでドクターXのような言い回し。 「どうして?」と聞くと、恐ろしい答えが返ってきた。 みよちゃんは幼少の頃から山田師範のお母様、おばあちゃんから太極拳の手ほどきを受けた。徐々に頭角を現し、さぁ、これからという時期。 「旅行に出かけたんです。そこでの夕食時、おじいちゃんがよし、一発やるかって太極拳を舞い出したんです」 「それで」 「終わるまで食べてはいけない決まりで。それが大学生になるまでずっと」 「テレビとか漫画とか見ていたら」 「殴られ、いや、怒られます」 幼少の頃、それは何と震えるような体験だったことだろう。太極拳は待ての合図。終わってから、初めて食べられる。 おじい様にしてみれば、それはご飯を食べる神聖な感謝の儀式だったのだろう。 「だから私は太極拳が大嫌いで・・・」 ふふふ、素敵だなぁ~と思う。 嫌いと好きは紙一重。一番困るのが「興味がない」ということ。みよちゃんのこれから続く長い人生で、どこかでスイッチが反転するときが来るかもしれない。だって大嫌いは、大好きの裏返しですもの。 それにしても太極拳を舞うときに、「一発やるか!」って。 太極拳一家らしい恐るべきエピソードに、皆で爆笑させてもらった。 ノムラテツヤ拝 ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
竹富島2018-11-13 Tue 19:41
![]() 石垣空港から離島ターミナルへ。 高速艇に20分揺られると、竹富島に到着だ。 港から皆で歩き、フクギのトンネルを抜けて村の中へ。 「喜宝院蒐集館」。 ここに長年ひろちゃんが見たいものがあった。 ペルーのインカ帝国全土を張り巡らすように存在したキープという縄文字。結び目を10進法で表し、その時代の人口や税金、身分などを表した。それと似ているものが、竹富島で見ることが出来るのだ。蒐集館を入って、すぐ右側にそれらは飾られている。 「藁算」、わらざんと読む。 ![]() 古代より文字は高位の人しか読み書きが出来なかった、というか支配するために教育しなかったが、八重山文化の百姓達には藁で編む技法を教えた。 ![]() この家族は何人家族なのか、税金はいくら払ったのか、ツケはいくらあるのかなどを結び目や織りなどで記させたのだ。 ひろちゃんは、じっくりと見入ってから、皆にそれらを教えた。 ![]() ペルーのキープと藁算。僕にとってこれは似ているが非なるものと思っている。 キープはキープマヨックと呼ばれるキープを読み書きする職業もあったと言われ、高位の人たちによって使われた秘儀。だからこそ、無限に思える結び目から、多様性を作り上げた。 ![]() 「インカはもし言葉が必要なかったとしたら。10進法の0,1だけの世界だったとしたら? 世界で最も早くアナログを飛ばしてデジタル化した文化なのかもしれない」。 これはひろちゃんが15年前からずっと言い続けていることで、自著にも何度か書かせてもらった。キープだけでなく、インカがデジタル文化を採用した痕跡はまだまだあるが、ここには記さない。 ![]() 一通り見学してから西の浜へ。 「てっちゃん、昨日海でアースしたって言っていたよね?」 「はい、海に入れば、誰でも元の氣に戻っていきますから」 「なら、海の中で太極拳をしたらどうだろう?」 こんな柔らかな発想が出来るからこそ、生徒さんが何処までも付いてこられるんだろうな。海中太極拳を、海面から、空からと撮影させてもらう。 ![]() 「てっちゃん、こりゃぁ、凄いわ。皆も一緒にやるよー!」 ![]() きゃーきゃー言いながら、一同参加する。 ![]() こりゃぁ、みんな元気になるわな。 太極拳は勿論、これだけ笑えれば、氣が巡るに決まっているもの。 石垣島へ帰港すると、具志堅さんの銅像の前で、ひろちゃんは腹を出してガッツポーズ。長年の夢が叶った瞬間だった。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
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