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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

古稀ワイン

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毎年恒例の夜がやってきた。
名古屋で上海ガニ三昧。もちろん御一緒するのは、加藤さん、あんちゃん、ひろちゃんのトリオだ。
赤いドアを開けて入り、大将から今日の蟹たちを見せてもらう。
うなぎ、納豆、蟹。これが僕の3大大好物なので、もう見てるだけで震えてしまう。
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紹興酒漬けから始まり、
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雄と雌を完璧に茹で上げ、
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それらを女将の言われるままに食べていく。
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雄のまったり具合が美味いのは勿論、雌のふくよかさと上品さに、脳がシバシバしてくる。きっとたっぷりのエンドルフィンが出ているんだろうな。
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甕だしの紹興酒を頂きながら、マスターの料理をじっくりと味わった。
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その後、ワインバーで、2次会。去年、僕はここで42年もののワインを飲ませてもらった。その時の模様は以下に↓
http://fieldvill.blog115.fc2.com/blog-entry-3227.html
そして、今年は数か月前から加藤さんが動き、ひろちゃんの誕生日1948年もののワインを手に入れた。70年ものの赤ワインだ。
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それらがテーブルの上にさりげなく置かれている。僕もドキドキしてきた。一体、どうやってひろちゃんは驚くのだろう。でも、想定外なことが起きた。どれだけひろちゃんに、そのワインボトルに目を向けさせても、一向に感動しない。そう70歳ともなると、薄暗く、老眼もあるため、小さな1948年という文字が見えないのだ。ようやく種明かしすると、えぇぇ~と驚き、呑んで「何だかポートワインみたいな味がするな」と答えた。
「さすがひろしさん、発酵を止めるためブランデーを入れてあるんです」
さらに70年もののワインは、2回のリコルクが施されていた。
世の中ひろしと言えども、古稀のワインをプレゼントされる体験なんて多くはない。他のお客さんとも一緒に、希少なワインを楽しんだ。
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ひろちゃん、70年前に生まれてくれて、僕たちを楽しませてくれて有難う。名古屋の夜は、濃密に、甘く、過ぎていった。
            ノムラテツヤ拝
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人生のゾーン

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夢や憧れ、心の底からやりたいと願うこと。
それらは人の一生の中で、幾度も現れない。
X軸が心の熱量、Y軸が社会の需要。それらが人生という波の中でY=Xの線上に乗った時だけに見えてくる世界。もし、その夢の輪郭が見えてきたら、大切に、丁寧に、目をそらさぬように。すると、その夢の卵から幹が生え、枝葉が伸び、花が咲いていく。
大阪にお住まいのMさんから、Facebookのメッセンジャーにメールが突然届いた。初めまして、雑誌で林遣都さんが野村先生のお話をされてますね。
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と始まる文章には、おおまかに以下のようなことが書かれていた。
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中学生の息子が、友達や先生からのいじめに耐え兼ね転校したけれど、また同じことが起こり、親として注意すると、さらに人間不信に。警察や病院の医師など世話になった人に話しかけてもらっても一向に心に響かないのです。林さんは野村先生に巡り合えてよかった。本当に、素敵な大人になれましたね。今後も、先生のお話が聞ける機会を待っています。ご活躍をお祈りしています。と結ばれていた。
「ご縁」とは一体何だろう? 4年前、僕は南米チリの旅番組(チキュウノハテ)で、写真家兼ガイドとして現地へ入った。主役は林遣都。今は誰もが知る売れっ子俳優だけれど、テレビを全く見ない僕は、初対面だった。
20日ほど撮影は続き、毎夜、遣都は自分の部屋へ遊びにきた。彼の悩みを聞きながら、昔、自分が先輩方にしてもらったように、ひとつひとつ紐を解いていった。
悩みは、大抵の場合、当事者に見えにくいようになっている。それは体が緊張で硬くなることによって、脳が一方向しか考えられなくなってしまうから。だからこそ相談される側は、別の考え方や見方を提示してあげれば良い。
でも、と思う。
あの時の遣都は、ちょうどその言葉や想いを聞くのに、ベストなタイミングだったのだ。それも一日ではなく、何日も何日も語り合うことで、お互いの絆も強く深いものになっていった。
Mさんから添付で送られてきた、女性ファッション誌BAILA12月号(集英社)に遣都のインタビュー記事があった。
「今年はドラマ4本、映画4本に出演。「いろんな役をやりすぎて自分がわからなくなってきた」と語るほど、今は充実のときにいる。ただし、20代前半は思い悩むことが多かった。「人間関係でもお仕事でも、何をやってもうまくいかず苦しい時期が。でも4年前に旅番組のロケで南米のチリに行ったとき、写真家の野村哲也さんと出会ったんです。『目の前で起きていることはすべて自分を映した鏡。他人のせいにしたり誰かと比べたりするのはやめよう。そして常に大切な人の幸せを願って生きていれば、そんなに悪いことは起きないよ』と言ってくれて。俳優の前に人としてどうあるべきかを教えてもらえた経験は間違いなく転機になったし、自分を救ってくれた言葉でした。お芝居は生き方が表れるもの。生き方を変えればお芝居でもより深い表現が生み出せると思っています」
僕も心底惚れる人生の諸先輩方たちに、沢山の真心と言葉を授けてもらった。だからこそ、バトンを下の世代へ、ご縁のある方々へ返していくのが役目なのだと思う。
昨夜、ひょんな理由で帰宅した遣都と電話で話した。
「4年前に言っていたことが叶ってるな」
「はい、有難いことです」
「今、仕事が楽しいかい?」
「今までの人生で一番」
「そっか、それなら、ひとつ心に留めておいて」
「何ですか?」
「自分の夢に命を賭けて邁進すると、何処かでそれらが認められ、任される時期が訪れる。そしてやりたいものがやれる幸福な時間が現れる。その時にどれだけ一気に登って行けるかが、その後の人生を決めるんだ。そして大切なのは、無限に思えるその時期は、決して長くないということ。通常3年~5年くらいだと思う。遣都はおっさんずらぶや、今のリーガルVを始め、ようやくそのスタートラインに立った。だから、今まで以上に時間と自分の体を大切にしな」
「有難うございます。一流の現場へ行くと、やっぱり一流の方々がいらっしゃって。特に今は高橋英樹さんから社会のこと、人生のこと、歴史や役者の表現方法まで話を聞かせてもらうのが楽しくて」と声が弾んだ。
あの南米チリにいた遣都が、今の言葉を聞いたらどう思うだろう。何だか嬉しくて心が大きく揺れた。
「ゾーンに入る」
スポーツ用語では、そういうのかな?
一所懸命、自分の人生を歩んでいる人には、必ず「人生のゾーン」がやって来る。今まで以上に他の誘惑も多くなってくるだろうが、最後に力を持つのは、「やりたい、好きだ!」と思う強い自身の幹。それがあれば、最高のゾーンにして、その後の人生を更に大切にしていける。
人生は一瞬一瞬の積み重ね。そして体という乗り物を持っているからこそ、不自由さが付きまとう。でも、だからこそ、そこに生かしてもらうという美と輝きが生まれるのだ。
遣都、応援しているよ。そして大阪のMさん、息子さんと共にお目にかかるのを楽しみにしています。
              ノムラテツヤ拝
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