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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

波佐見

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後ろ髪引かれる思いで、五島・福江を発って長崎港へ。
レンタカーを借りて、すぐに北上した。目的地は波佐見、これではさみと読む。
僕は食事をするのも、作るのも好きだけれど、そこに盛られる器にも興味がある。そこに求めるのは、一つだけ。ゴテゴテせずに、出来るだけシンプルに。
波佐見は、それに最も近い焼き物の町だった。
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登り窯がいくつも立ち、白山陶器さんへ。ここがまた、憎らしいくらい、僕の好きなものばかりが。
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周りの古い町並みも、広大な棚田も、僕を惹きつけた。
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昼は、波佐見の古民家を改築したレストランで。
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コーンスープは勿論、
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4種盛りや白身魚のフライも、すべて波佐見の器で美しく魅せていた。
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格子窓にテルテル坊主。これは熊さん、それとも犬さんかしら? 
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風にゆらりゆらり、気持ち良さそうに揺れていた。
           ノムラテツヤ拝
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西の高野山

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空海が遣唐使を終えて帰朝の際、五島列島の大宝寺に滞在した。その時に真言宗に改宗したことから、「西の高野山」と呼ばれる大宝寺。
日本から唐に行く時は最後の島。唐から戻ってくる時は最初の島となるのが五島の宿命。だからこそ、宗教も含め多様な文化の十字路となったのだ。
弘法大使ゆかりの寺らしく、四国八十八ケ所巡礼御砂踏所などもあり一つずつ手を合わせていくと、奥の院へと続く細道があったので、登ってみる。すると、そこにはアコウの巨木に抱かれた仏様の像が。
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見た瞬間、アユタヤのワット・マハタートの仏頭を思い出した。
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誰も上がってこないこんなところに、本当の祈り込みがなされている。
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見えないところにこそ本物がある。日本の美をまたひとつ教えて貰った。
         ノムラテツヤ拝
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椿列島

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「東の大島、西の五島」と形容されるほど、椿の自生地として名高い五島列島。50種類もの椿が花開き、最も美しい「玉之浦」の産地でもある。そう、椿は古来より、五島の人々に深く関わってきたのだ。
教会を見終わってから、憧れの椿の森へ出かけてみる。「椿の大樹」の脇をくぐり抜け、まるで小人の妖精が出てきそうな細道を行く。
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小ぶりだけれど、気品ある花弁の椿が、ぽとり、ぽとりと冬の大地を色づける。
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森の奥まったところで、芸術的なマムシソウの赤い実を見つけた。
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自然の中には、すべてがある。VRでは決して伝わらない、たおやかな音と波がある。
「五島列島が日本であってくれて良かった」
手のひらで椿を包み、そう強く想った。
           ノムラテツヤ拝
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七色の教会

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堂崎天主堂の後は、貝津教会へ。
福江から最も遠い場所にあるので、観光客はほぼ訪れないが、この教会は五島列島で随一の美しさを誇るという。
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潜伏キリシタンたちの十字が立てられる墓地を横に、室内へ入ると、まばゆい光が差し込んでいた。
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赤、黄、橙、青、赤茶、山吹、そして水色で作られた七色のステンドグラス。
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椅子に腰かけ、その光を全身で浴びてみる。
七色に込められた思い。それはきっと個性。生けとし生きるものはすべて色を持っている。それらが出会うことで、重なることで、色は少しずつ混ざり、さらに独自の色を放つようになる。輝く色、鈍い色、それらがどんな色になろうとも、それがベスト。容姿も、性格も、信仰も、みな同じこと。
「生まれてきたあなたが、まるごと素晴らしい」のだとステンドガラスは語っていた。
静かに、そして雄弁に。
                ノムラテツヤ拝
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堂崎天主堂

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福江から向かったのは、堂崎天主堂。
江戸時代のキリスト教禁教令廃止以降、五島列島で最初に建てられた聖堂であり、潜伏キリシタンの歴史や生活が垣間見られる場所だ。
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入口では、五島出身の二十六聖人の一人、聖ヨハネ五島が十字架にかけられる銅像があり、胸に熱いものがたぎる。
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彼の聖遺骨も、ここ堂島天主堂に収められているのだ。
室内は白を基調とした作りで、木々の香りが充満していた。
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五島の歴史を振り返る博物館になっていて、生まれて初めて本物の踏み絵やキリスト誕生の秘像などを間近で見せてもらった。
キリシタン博物館


宗教は自由だ。というかそうあって欲しい。自分の信仰したいものを信仰出来る幸せ。それを誰かが抑圧するなんて、征服する側(強者)の弱味だと思う。
小さな祠には観音様が小さな子供を抱いている。でもその顔をじっと見つめると、観音がマリア様、子供がイエス・キリストになっているのだ。
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潜伏しながら、仏教の中に、自分の信仰するキリスト教を観る。心を静めて、その祠と自身を合わせていく。あまりに深い悲しみを纏っているのかなと想像していたら、そこには清々しい氣だけが流れていた。
「私たちは、自身の信じる道を歩いた。その時に与えられた苦しみは、もう無い。許すことこそ、愛することこそが、輝く未来を作り上げるのだから。なぁ、そうだろ?」
脳内に言葉がすっと落ちてきて、僕は一瞬で目の前が滲んだ。そう、どんなことが起ころうと、自分の心に嘘なくまっすぐ進めばいい。その想念がこの世に残り、より良き未来が象(かたど)られていく。
その気持ちを知れただけで、ここにやって来た甲斐があった。やはり自分の五感で感じないと、分からないものが確かにある。
あまりに感動したからかな? お腹が減って来た。
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さぁ、五島の鮨屋で新鮮な魚とサバ寿司を頂こう。
           ノムラテツヤ拝
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