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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

次元の扉

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「次元の扉」がある。
2次元から3次元、3次元から4次元、さらに高次元へと続く境目が。それらは、この世に同時並行で流れている。俗に言うパラレルワールドとして。
信じるも、信じないも自由。それは個人の大切な価値観だから。でも僕は、信じる。少なくとも日本中で、いくつもそんな場を体験してきたから。
思い出すだけでも、北からフゴッペ遺跡(北海道)、恐山(青森)、月山(山形)、杖突峠(長野)飛騨(岐阜県)、伊勢神宮と瀧原宮(三重)、延暦寺(滋賀)、鞍馬寺(京都)、高野山(和歌山)、出雲大社と黄泉比良坂(島根)、高千穂(宮崎)、西表島(沖縄)などなど。
そこに新たに長崎県が加わるとは。場所は雲仙市のとある神社。深い霧が生き物のように這い、苔むした鳥居が人間を拒むかのように立っている。手を合わせてくぐると、ご神域となる。足元に気を付けながら上がっていくと、洞穴にI神社が鎮座した。
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「縄文以前からの住居跡と推定される」と看板には書いてあるが、そんなものではない。洞穴の祠に入れば、全身の境目が無くなっていくのに気づくだろう。溶けるというのではなく、別の場所へ引っ張られるという感触だ。
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僕は「3次元のこの世をこよなく愛しているから、そっちには行けません」と体を引き戻す。すると、急に雨足が強くなり、笹が艶やかに濡れていく。
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僕はその美しき光景に見とれながら、来た道を戻る。行きには気づかなかった御手洗場で、緑色のハートの石を見つけた。
              ノムラテツヤ拝
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

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