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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

ホタル隊

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「ホタル隊」と名付けられた今回の旅は、最初から勝負している。
情報源から聞いているのは、アルゼンチンのパンパ地帯に、ホタルの大発生が起こるということ。大体の場所は聞いているが、それらを最後に目撃されたのは今から6年前のこと。
でも、あまりにその情報が魅力的なのだ。
「100キロ続く蛍の道」
そんなものがこの世に存在するのか? あるわけ無いと切り捨てるのは簡単だ。でも、僕はこれと同じ経験を以前にしていた。南アフリカに100キロ以上の花道が存在する。それを信じて踏み込んだら、600キロもの花道が喜望峰まで続いていた。
どこにある? 車を飛ばしながら目的地へ向かう。アルゼンチンには今まで40回ほどは行き来しているが、生まれて初めて足を踏み入れる場所。
大きな夕陽が、パンパ地帯に沈もうとしている。車を止めて、参加者の皆で眺めた。
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僕は、草むらに目をやる。もうフライング気味のホタルであれば、光り始める頃。いない、いない。どこにいる。雲は真紅に焼け、闇が少しずつ迫ってくる。
「ここじゃない、場所を変えましょう」
インスピレーションに導かれるように、僕たちは車を北へ向けた。
               ノムラテツヤ拝
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新たな旅へ

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新たな旅が始まった。
今回の舞台は中部パタゴニア、まだ見ぬ聖地に足を踏み入れるのだ。
成田から飛び立った飛行機は、一路ニューヨークへ。最終着陸態勢になると、向かって左側にマンハッタンや自由の女神像が見えてきた。
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数時間のトランジット後、宝石のような夜景を翼に映して南下。
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待ち時間も入れると日本からざっと40時間後、旅の玄関口、ブエノスアイレスへ到着した。
さぁ、最初から飛ばす。一気に走っていきますよ!
           ノムラテツヤ拝
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アルゼンチン | コメント:0 | トラックバック:0 |

増補申請

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あかーん。
3年で全ページがスタンプで埋まってしまった。年々早くなるこのペース。涙をのんで増補申請に出かけた。
今まで僕は4冊のパスポートを作ってきた。18歳の時は二十歳未満なので青だったが、それからはやっぱり「赤」だろと3冊全て10年パスポート。
世界には数多くのおもろい場所があり、そこにはスタンプがある。赤道には0度と書かれた分度器のスタンプが、
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ガラパゴスにはゾウガメが、マチュピチュやモアイなんてのもある。
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最初はいい気になってバンバン押し、初めての増補では何だか誇らし気持ちになった。しかし時代も自身も変わるように、2冊目の増補時に初めて気づいた。
パスポートの1頁はお金なのだと。10年パスポートは44ページで申請料が1万6000円。つまり1ページあたり363円もするのだ。そこに無造作にスタンプを押していた自分の愚かさを恥じた。
3冊目を申請した時は、まず自動化ゲートを利用することで日本出入国スタンプが押されないと聞き、即申請。マチュピチュやイースター島には何度行こうとも、決してスタンプの誘惑には負けなかった。が、3年もたたぬうちに、44ページのほぼ全てにスタンプが押される始末。余白がないとアメリカ入国はもちろん、他国でも入国を拒否されるため、泣く泣く3度目の増補。40ページ増やしてもらって手数料は2500円。大切に使わないと。これが終わってしまうと、有効期間内であってもアウト。4度めの新規申請が待っているのだ。
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そして、とんでもないニュースが。2020年から発行される新パスポートは偽造防止のため、増補は禁止の方向で話が進んでいるという。もう、これだけ電子化しているんだから、スタンプ制度をそろそろ廃止にしませんか?
カードサイズの、パスポートを心から望みます。または最近流行りの体内埋め込み型マイクロチップに、パスポート機能を追加しませんか?
             ノムラテツヤ拝
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日本 | コメント:0 | トラックバック:0 |

日本酒の宝石箱

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昨日からの続きで、今日はGEM by motoさんのことを書こうかな。
店主の千葉麻里絵さんことマリリンは、日本酒のスペシャリスト。一口飲んだだけで、どのような成分が入っているのかが分かる絶対味覚の持ち主だ。
「まずはイメージで」と出されたのは、遣都にはウィスキーの樽につけた日本酒を、僕には風の森だった。
「奈良の銘酒ですね」
「ふふふ、遣都くんの言われる通り、詳しいですね」
「詳しいというよりも、ただ、ただ好きなんですよ」
一口飲むと、冷え切った液体から、酸味がぼんわりと広がった。んっ、違う。何故だ? 僕は今まで飲んだお酒の味は、イメージで置き換えているのでほぼ覚えているけれど、この風の森は、僕の飲んだ味と違う・・・。
「風の森って、こんなに酸味がありましたっけ?」
「これ、-5度で氷温冷蔵してるものなんです。だから甘みが無くなり」
「酸味がでる」
「そうなんです」
-5度で冷蔵している、これでこの店の凄さが分かる。もうすぐで凍るという手前まで冷やすことで、酵母の動きを止め、ゆっくり熟成させていくのだ。
愛知の銘酒義侠の山田社長から以前に教えてもらった方法を、酒蔵ではなくお店でやっているなんて。ハイコスト・ローリターンにならないのかしら?
お通しは真ハタのお刺身から。
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角がピンと立ち、店名(GEM)にもなっている宝石のような輝きが、内側から発光しているよう。味はもちろん深みがあり、オリーブオイルと塩が三位一体のマリアージュを奏でる。
次はこれで。
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初めてみるラベルに、不思議そうな顔をしていたのだろう。マリリンはすかさず、「これ、うちの店と仙禽さんのコラボなんです」。
仙禽とは栃木の酒蔵の名。
「いくつくらいとコラボされてるんですか?」
「え~と、10蔵くらいですかね?」
「コラボするには最低どれくらい仕入れないといけないんですか?」
「それぞれですが、3000本くらいです」
脳内に、バシバシと電流が流れるような衝撃だった。僕は南アフリカのとあるワイナリーを購入し、オーナーになろうと思っている。でも、莫大なお金がいるので、それらを工面するのに奔走しているが、自分の好きなワイナリーに足を運び、そことコラボで作れたら、なんて楽しいのだろう。世界中の愛すべきワイナリー20蔵に絞って、それらで勝負する。単純計算で20蔵×3000本だから、年に6万本。さばき切れなくはないな。そんなことを想い胸を躍らせていると、苺と春菊の白和えが出てきた。
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苺??? でも白和えと混ざると、苺の酸味が消え、それらがまあるい深みとなっていく。さすが「絶対味覚」と心がグイっと動かされた。
そして、ブルーチーズハムカツ。
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ブルーチーズもハムカツも大好物の僕は、唾を飲み込んだ。「それにこれを合わせて下さい」。赤トンボ柄の瓶から注がれたのは、ドロドロのどぶろくだった。
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「げっ、僕、岐阜出身なので、昔から美味しいどぶろくをたらふく飲んでいて。中でも特区の飛騨にどぶろくの神のような方がいて、そのどぶろくの味が忘れられないんです。でも亡くなってしまったんですけれど」
「そうなんですね。私もコレが今まで飲んだ一番のどぶろくなので、軽く野村さんの味を越えていきますよ」
ふふふ、こういう女性、好きですよ。
一口飲んでみると、コメのふくよかな甘みと酸味が絡まり・・・。
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「どうしました?」
「いや、もう一口」
やっぱり、ふくよかな甘みと酸味の後に、今まで感じたことのない苦みに包まれる。
「この苦みは一体なんですか?」
「えっ、凄い。野村さんで2人目です。この苦みに気付かれたのは。実はこれ特別なお米で作っているのですが、米麹に含まれる苦みなんです」
「飛騨のどぶろくとどちらがと言えば、悔しいですが、こちらですね。苦みもあるし、まだこの世に生きているわけですものね」
しっかりとこの生産者の情報を教えてもらい、今度行こうと決めた。
「ハムカツの後にこのどぶろくを呑んでもらえますか?」
勿体ない・・・。でもとハムカツの後に流し込むと、なんと口内はホワイトシチューになった。どういうことだ?
「日本酒の味は、香りが8割、味が2割なんです」
初めて聞く概念だった。香りが8割? でもだからこそどぶろくがシチューに変わるのが容易に想像できた。
次はイチジクガッコチーズ。
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イチジクの甘みとクリームチーズ、そしていぶりがっこ(沢庵)のコリンコリンの触感に笑ってしまった。なんだこの犯罪的なウマさは。
鯖味噌も気品のある味付けで、
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カモと揚げ菜の花の黄身酢味噌ソースは、ぬる燗にすこぶる合った。
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そしてこの夜、僕が一番感動した逸品が目の前に。
「アボカドの白味噌酒粕漬け」。
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アボカドのクリーミーなねっとり感と漬物の味が融合して、頭が痛くなる。快楽物質のエンドルフィンが出まくっている証拠だ。
これで終わってくれないのが、マリリン。更にオカラとサバ、エシャロットと天かすで巻いたサバ巻き。
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これに樽色の付いた琥珀色の日本酒にコショウが舞っている。
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「日本酒とコショウを合わせると、あるものになるんです」
「レモンティー」
「そうなんです」
まるで魔法だった。ラストは、好みを見透かされているように、ラム肉で〆。
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お会計を済ませ、外へ出ようとすると、マリリンが「遣都くん、書いてよ」と黒ペンを渡す。恥ずかしそうにしながらも、白い壁にサインを描き始めた。
「何か、コメントも」
サインの下に記された言葉。それが「日本酒を学びます。」だった。遣都の故郷・滋賀にも、萩の露を筆頭に美味しいお酒が沢山あるものね。ひとつひとつ、共に勉強を積み重ねていこうぜ。
GEM by moto(日本酒の宝石)。店名に負けしない圧倒的な迫力に満ちていた。マリリン、また遊びに行きますね~!
ノムラテツヤ拝
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日本 | コメント:1 | トラックバック:0 |

遣都の翼

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観劇が終わり外へ出ると、林立するビル群が茜色に染まっていた。
少し肌寒い風の中にどこか温かみがある。
それはまさに春を予兆させる風だった。
「野村さん、今どこにいらっしゃいますか?」
「う~ん、眼鏡屋さんのゾフの近く」
「分かりました。今から行きます」
数分で遣都が駆けつけてきた。三軒茶屋から恵比須へ場所を変え、遣都が「是非ご一緒したいお店があります」と紹介してくれたのが、GEM By MOTOだ。
「ここに日本酒のスペシャリストがいまして、是非野村さんと引きあわせたくて」
アルコールを含むお酒の中で、僕が最も好きなものが日本酒。次にシャンパン、赤ワイン、白ワインと続く。
「どうも、宜しくお願いします」。遣都が話している女性こそが、スペシャリストの千葉麻里絵さんだった。この店で、体験したことは、あまりにおもろく、印象深かったので、後日書くことにし、今日は遣都とのことを綴ろうかな。
「最近の仕事で大きく変わったことはある?」
「この前のリーガルVとかで特に感じたんですけど、一流の人たちが集う場所には、やはり一流の場が生まれていて」
「その世界を一度知ってしまうと」
「そうなんです。そこで勝負したいなと。華やかで豪快に見える人も実は裏ではとても繊細で怖がっていて」
「だからこそ、そこにいられるんだね」
「はい」
昔から言う。スポットライトを一度でも浴びた人はその快感を脳が覚えていて、それ無しでは生きていけなくなる、いや、生きている実感が湧かなくなってしまう。だからこそ、そこで努力し、邁進し続けていけるのだと。
「最近、色々な媒体で取り上げてもらっているじゃない。葉巻もくわえてたり」
「ははっ、去年、野村さんの家で本場キューバの葉巻、見せてもらいましたよね」
「そうそう」
「取材する方から聞かれることがあるんです。林さんは何故そんなに謙虚でいられるんですか?」と。
「それで?」
「僕は有難いことに、自分にハッキリ言ってくれる人、教えてくれる人が周りにいる。だから天狗になんてなれません」
5年前、僕たちは仕事で南米チリのアタカマ砂漠にいた。
「遣都くん、何か自分自身でやりたいことはない?」
番組ディレクターからの問いに、遣都は「砂漠でキャンプしたいです」と想いを静かに口にした。昼は灼熱、夕方は少し涼しくなる。番組に使いたいからと、遣都に火のおこし方や保ち方を教えた。そして星々が輝きだす頃、遣都、ディレクター、カメラマンを砂漠に置いて、僕たちはホテルへ戻った。
翌朝、パティオで朝食をとっていると、「おはようございます」と遣都が震えながら帰ってきた。
「砂漠、凄かっただろ?」
「最高でした」
遣都の弾ける顔を見て、自分で自発的にやり切った満足感が見てとれた。誰かからやらされるのではなく、自分が何をしたいのか。受動的でなく、能動的に。その先に達成感や満足感が得られるのだ。
「遣都、ひとつ質問していいかい?」
「はい」
「今の遣都がもし、あの砂漠の夜にいる遣都に話しかけられるとしたら、何を伝える?」
う~ん、と首をひねり、頭を掻きながら、しばらく考えた末、恥ずかしそうにポツリと呟いた。
「ちゃんと周りの人を愛したら、その愛は戻ってくる」
胸がジーンとし、何度か自身の中でその言葉を反芻した。
あの時の遣都は、誰も信用せず、今日の舞台の役柄のようにプルプルと震える子犬のようだった。
「あの頃の僕、人に対して物凄くバリアを張っていましたよね」
「だねぇ」と笑い合った。
「僕、今秋からの朝ドラ「スカーレット(9月30日~3月まで)」に、スカーレット役の戸田恵梨香さんの幼馴染みとして出演することが決まりました」
「おめでとう、って、それまだ情報公開してないだろ、大丈夫?」
「いえいえ、昨日、公開されたので大丈夫です」
http://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/preview.html?i=17872
「いつから撮影は始まるの?」
「4月からです」
「それと重複するように、おっさんずらぶの映画のクランクイン?」
「はい、でも、あれを越えていくというプレッシャーが凄くて」
遣都、何かを作り上げるというのは苦しいもの。楽に作れるものなんて何一つない世界。
だからこそ面白い。監督、共演者、スタッフたちを心から愛し、話し合い、ぶつかり合い、共に進んでいけばきっと皆を幸せにする最高の作品になっていくよ。
今の遣都に、今だからこそ、遣都に伝えたいことがあった。
周りを信用できなかった遣都が、まず言動を変えることで自分の心を少しずつ信用する。周り全員をライバル視していたけれど、ある出逢いから他を認めるようになる。周りを信用し認めることで、心はフッと楽になり、その隙間に感謝の念が湧き始める。やがて自分も他人も愛するようになることで、その幸せは途切れることなく螺旋状に押し寄せる。人生はそこで終わりではなく、ここからが本番なのだ。さぁ、次の一手は。それを遣都に丁寧に伝えた。それが最短距離で駆け上がっていくための梯子になれば良い。
これから更に有名になるにつれ、想像もしていなかったことが多々起きるだろう。でも遣都が周りに感謝して、周りを愛し続ければ、必ずそれらの出来事を踏み台にして大空へ羽ばたいていける。謙虚、素直、感謝、それが遣都の翼となってくれるはずだ。
「どうせ目指すなら何だっけ?」
「日本一じゃなく、世界一の俳優ですよね?」
「そうそう、目標は常に高く、宇宙一の俳優を目指しな!」
濃密な夜は、あっという間に過ぎていった。
家に帰るとラインが届いていた。
「今日は有難うございました。毎日大切に積み重ねていきます」。
遣都、頑張れ。皆が応援してるよ!
             ノムラテツヤ拝
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日本 | コメント:17 | トラックバック:0 |
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