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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

ハチドリの聖地

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スパンコールのように輝き、小さな羽が左右に開いた。
シャッターを押し、液晶に浮かび上がった写真を見て、確信した。
僕はここで負けたのだと。
世界一を決める2017年ナショジオ写真コンテストを覚えているだろうか? 僕の写真はハワイの溶岩滝、そしてガチンコの相手は花蜜を吸うハチドリの一枚だった。
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十字に見立てた作品は、いかにもキリスト教徒に受けそうな構図。撮影地はコスタリカと書かれていた。
撮影者は、この地で花にやって来るハチドリをひがら狙っていたのだろう。素早いハチドリも、しかるべき設定で、呼吸を合わせていけばなんら難しい撮影ではない。ものの20分ほどいただけでも、十字のように写真が数々と生まれた。
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世界は広いな。こんなにも簡単にハチドリを撮れる場所があるのだから。
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ブーン。ブーン。まるでハチが舞っているかのような羽音が耳元で響き、横を見ると、ハチドリも小さな瞳でギロリとこちらを観察していた。
             ノムラテツヤ拝
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ケツァール

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飛び立つと、赤いお腹がキラリと輝いた。
ポン、ポン、まるで音符を刻むように、スイングしながら飛び対岸の木へ。
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だから最初に出逢った時に、僕の視界から消えたわけだ。
飛び上り、潜り、また羽ばたいて飛びあがる。まるで宙に波を描くように飛んでいく。はっとした。手塚治虫の火の鳥のモデルになったのがケツァール。そういえば、火の鳥もそんな風に飛んでいったっけ。改めて、日本ナンバーワンアニメーターの力を思い知った。
飛んでいる姿を撮影したい。ケツァールを見て、その想いが強くなった。観察していると、飛ぶ前に、必ず一度後方に踏ん張ることが分かった。後は、マニュアルに切り替えて、呼吸を合わせるだけ。
来た。枝から離れ、真っすぐこちらへ。
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ファインダーの中に、火の鳥が出現した。
             ノムラテツヤ拝
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神の鳥

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コスタリカに来た目的。それは世界一美しい鳥をこの目で見ることだった。
「ケツァール」。マヤ・アステカ文明でも、「ケツァール・コアトル神」として描かれてきた聖なる鳥。和名は、カザリキヌバネドリだ。
世界広しと言えども、ケツァールの生息地は年々狭まり、今ではもうコスタリカの一部でしか見られなくなっている。ガイドのオスカルが言う。
「この前、グァテマラ人たちがケツァールを見に来てね」
「えっ、本場の?」
そう、おまえたちの国鳥だろって茶化したら、残念だけれど、グァテマラではもう殆ど見られないと肩を落としていたよ。
早朝5時30分。まだ薄暗い中、オスカルと共に森の中へ。
「テツヤ、聴こえるか?」
耳を澄ませると、子犬が鳴いているような音が響いてくる。
「クン、クン、クン、クン、クーン」
頷くと、「あれがケツァールの鳴き声だ」と教えてくれた。動画で記録したので、ぜひこの愛らしい声も聴いて欲しい。
http://bit.ly/2ZorGTd
「あっ」
それは一瞬だった。木々の上を1羽、また1羽と飛び去っていった。これがケツァールとの初対面だった。
オスカルは熟練のガイド。周りの牧場と話を付け、もし早朝にケツァールを見かけたら、彼の元へ連絡が来る手筈。
「ウィリアムから連絡があった。行くぞ!」と場所を変えた。
宿から20分ほど森を走ったところに、広大な牧場が。ニコヤカな笑顔と共に牧場主のウィリアムが待っていてくれた。
「さっきまであそこにいたんだが、森の中へ隠れてしまって」
3人でその森へ進んでいくと、突然、オスカルが声を上げた。
「前方だ!」
森から真っすぐ僕らの方へ影が見えたかと思うと、消えて、そしてまた頭上で影が通り過ぎていく。
「間違いない、雄のケツァールだ」
僕には全然見えなかった。そして何故、視界から消えたのかが不思議だった。飛び去った先は、視界の開けたアグアカティーヨの木。望遠レンズでピントを合わせた瞬間、僕の存在は溶けそうになった。
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ピカピカに輝く頭のとさか、長い尻尾。そして角度を変えると、色がグリーンからブルーへ変わる体躯につぶらな瞳。一目見て、昔の人がこの鳥に神を見た意味を知った。
ノムラテツヤ拝
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ハチドリ天国

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ニカラグアから南下して、中米最後の国コスタリカへ。
空港からレンタカーで街中へ行くと、ここが退職したアメリカ人たちの終の棲家となっている理由を知った。
まず圧倒的に整うインフラ、道は広く、アスファルトの凹凸も無い。高層ビルが立ち並び、どこかシカゴを彷彿とさせた。でも、僕の行きたい場所は、そこから更に山道を登って下って、また登ったところ。チェックインを済ませ、バルコニーへ出ると、目の前の光景に目を疑った。
世界131ケ国で、僕は人より多くのハチドリを見てきたつもりだ。でもこの森の水場(砂糖水)に群がるハチドリの数は、今まで何処で見たものよりも凄まじかった。動画を撮影したので、ぜひ音声を上げて彼らの羽音やさえずりも聞いて欲しい。
http://bit.ly/2GyILlV
カメラに望遠レンズをつけて、近くの花にやって来るハチドリに狙いをつける。早い、早い。あっという間にレンズから外れてしまう。
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右目でハチドリの全景を追い、左目でファインダーを覗く。ハチドリの羽ばたきと自分の呼吸を少しずつ
合わせていく。今だ、超高速シャッターでハチドリの羽を止めた。僕の頭上でホバリング。こちらをジロッと見てから、花の蜜を吸いに出かけた。
            ノムラテツヤ拝
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50名到達!

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よっしゃぁ!
昨日の朝、急遽募集をかけた「墨田川花火大会屋形船ツアー」。
有難いことに、今、最少催行人数の50名に達しました。ただ、キャンセルなどもあるでしょうから、船の最大キャパシティの70名まで募集を続けます。ご興味のある方は、是非僕の方へ早めに連絡して下さい。
料金の方は、何としても50名を死守する形で一人4万円ジャスト。昨日、船会社から「50名以上に増えても一人当たりの料金が安くなることはありません」と訂正が入りました。兎にも角にも、皆様の熱き情熱のお陰で、7月27日は江戸から続く花火大会を楽しみましょう。
一度きりの人生、全力で地球を遊び切りましょう。
               ノムラテツヤ拝
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