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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

ケツァール

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飛び立つと、赤いお腹がキラリと輝いた。
ポン、ポン、まるで音符を刻むように、スイングしながら飛び対岸の木へ。
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だから最初に出逢った時に、僕の視界から消えたわけだ。
飛び上り、潜り、また羽ばたいて飛びあがる。まるで宙に波を描くように飛んでいく。はっとした。手塚治虫の火の鳥のモデルになったのがケツァール。そういえば、火の鳥もそんな風に飛んでいったっけ。改めて、日本ナンバーワンアニメーターの力を思い知った。
飛んでいる姿を撮影したい。ケツァールを見て、その想いが強くなった。観察していると、飛ぶ前に、必ず一度後方に踏ん張ることが分かった。後は、マニュアルに切り替えて、呼吸を合わせるだけ。
来た。枝から離れ、真っすぐこちらへ。
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ファインダーの中に、火の鳥が出現した。
             ノムラテツヤ拝
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神の鳥

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コスタリカに来た目的。それは世界一美しい鳥をこの目で見ることだった。
「ケツァール」。マヤ・アステカ文明でも、「ケツァール・コアトル神」として描かれてきた聖なる鳥。和名は、カザリキヌバネドリだ。
世界広しと言えども、ケツァールの生息地は年々狭まり、今ではもうコスタリカの一部でしか見られなくなっている。ガイドのオスカルが言う。
「この前、グァテマラ人たちがケツァールを見に来てね」
「えっ、本場の?」
そう、おまえたちの国鳥だろって茶化したら、残念だけれど、グァテマラではもう殆ど見られないと肩を落としていたよ。
早朝5時30分。まだ薄暗い中、オスカルと共に森の中へ。
「テツヤ、聴こえるか?」
耳を澄ませると、子犬が鳴いているような音が響いてくる。
「クン、クン、クン、クン、クーン」
頷くと、「あれがケツァールの鳴き声だ」と教えてくれた。動画で記録したので、ぜひこの愛らしい声も聴いて欲しい。
http://bit.ly/2ZorGTd
「あっ」
それは一瞬だった。木々の上を1羽、また1羽と飛び去っていった。これがケツァールとの初対面だった。
オスカルは熟練のガイド。周りの牧場と話を付け、もし早朝にケツァールを見かけたら、彼の元へ連絡が来る手筈。
「ウィリアムから連絡があった。行くぞ!」と場所を変えた。
宿から20分ほど森を走ったところに、広大な牧場が。ニコヤカな笑顔と共に牧場主のウィリアムが待っていてくれた。
「さっきまであそこにいたんだが、森の中へ隠れてしまって」
3人でその森へ進んでいくと、突然、オスカルが声を上げた。
「前方だ!」
森から真っすぐ僕らの方へ影が見えたかと思うと、消えて、そしてまた頭上で影が通り過ぎていく。
「間違いない、雄のケツァールだ」
僕には全然見えなかった。そして何故、視界から消えたのかが不思議だった。飛び去った先は、視界の開けたアグアカティーヨの木。望遠レンズでピントを合わせた瞬間、僕の存在は溶けそうになった。
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ピカピカに輝く頭のとさか、長い尻尾。そして角度を変えると、色がグリーンからブルーへ変わる体躯につぶらな瞳。一目見て、昔の人がこの鳥に神を見た意味を知った。
ノムラテツヤ拝
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