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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

至高の握り

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まさに味の曼陀羅だった。
握りの最初は、最も好きなコハダから。刺身同様、旬な地から最大の速さで沖縄へ送り、丁寧な下処理の後で、最高の逸品に仕上げる。
僕は大将がこうやって食べて欲しいと事前に味付けしてくれる方が好き。もといさんにはつけ皿も醤油もなかった。
マグロのづけは口に入れた瞬間に溶け、
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赤貝は香りを喰う。
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アナゴはホワンホワンの食感に爪の味で深みを出す。
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どれもこれも一貫しているのは、シャリが素材が溶ける、混ざる瞬間にほろりと、ほどけていくこと。
「大将、酢飯に何か特別なことをされているんですか?」
ニヤッと笑い、その三種の赤酢の作った酢飯を見せてくれた。
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「鮨は握っちゃあいけない。力を入れる寸前で離すのが技。私は自分の舌が美味しいと思うもの以外は握らないから」
くぅ~、大将の言葉には極上の重みがあって、しびれるなぁ。
焼きサバは強気の焼き加減で香ばしさに溢れ、
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ボタン海老の大きさとぶりぶりの触感に溶けそうになる。
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ウニ、いくらをそのまま手渡しされ、完全にノックアウト。
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そんな姿を見て、日本酒で一休みしろと自家製のカラスミを。
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ラストは絶品のカッパ巻で〆。海苔もキュウリも酢飯も、出汁醤油も見事な調和を奏でた。
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大将の仕事道具を見せてもらう。ピカピカに磨かれたまな板と包丁たちが、すべてを物語っていた。
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「慶太さんは、うちに本当に大切な人しか連れてきませんから」
横を向くと、けいたくんは柔らかく微笑んでいた。
「大将、そろそろ、おあいそで」
詳しくは書けないが、確かに慶太くんが言う通り、銀座の鮨屋よりも高かった。でも日本全国から旬を集めるネットワークと送り賃、下処理の手間と丁寧な仕事ぶりから、納得のコストパフォーマンス。
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その後、3人で2次会へ。丁寧な仕事をして、爆発的に歌って遊ぶ。もとい大将の迫力に、なんだか涙が出るほど嬉しかった。慶太くん、ご馳走様。最高の沖縄スシナイトでした。
              ノムラテツヤ拝
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もといさん

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萩の旅が終わり、更に西へ。
機上から眼下を見下ろすと、日本の宝、沖縄の蒼き海が見えてきた。
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「てっちゃんを連れていきたい鮨屋があってさ」
沖縄の友、慶太くんと今日はスシナイト。ホテルで久々に再会すると、慶太くんの頭は金髪になっていた。
「いいねぇ、その色」
「スーパーサイヤ人みたいでしょ」
ホテルに荷を下ろし、2人で歩いて「もとい」さんへ。
「てっちゃん、今夜行く鮨屋は、沖縄はもちろん、日本で一番高い鮨屋かもしれないよ」
おぉぉぉ~、そんな商売を沖縄でやるなんて、よっぽど何かが突出しているんだろうな。
看板の無いお鮨屋さんの上品な戸を引くと、中には勝新太郎のような大将が立っていた。
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「慶太くんから聞いていますよ。今日は楽しんで行ってください」
眼光は鋭いが、、瞳の奥には優しさが漂った。
一品目は出汁の中で泳ぐしろうおを、生きたまま呑む。
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喉にブルルという振動が伝わり、食道に滑り落ちていく。
青森のヒラメは、完璧なコブ締め。食感がコリンコリンなのは鮮度が良い証。
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沖縄でこれだけの生きの良い食材を揃えられることに感動していると、間髪入れずにイカの一夜干しが。
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腹わたの苦みが津波のように口内に押し寄せ、それを出羽桜の「一耕」で迎え撃つ。
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丁寧に下処理された瀬戸内のさよりは、白身魚の概念を超える逸品。
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富山のホタルイカもプリンプリンだった。
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「ここは江戸前でね。日本各地から最高の旬を集めて握ってくれるの。僕はもといさんが無かったら、こんな沖縄に長く滞在してなかっただろうなぁ」
もといさんとの出会いを聞くと、慶太くんがまだ20代の頃、日銀の沖縄支店長にこう言ったという。
「沖縄で一番高い店に連れてって下さい」
ふふふ、若い時はそれくらい生意気な方が良い。だって生意気っていうのはそれだけ生の氣を存分に出しているってことだから。
まだ握りまで行かない内に、菊花とウルイの椀物が。ウルイとは、岐阜でもよく食べる山菜で、通常は酢味噌や三杯酢にして頂くが、ここではカツオの効いた出汁がウルイに滲み、今まで体感したことのない京料理のような味付けなっていた。
「すごいね、ここは」
心から美味しいため息をつくと、慶太くんが一言。
「いつも大将が言うんだよ。ここは大人の遊び場だって」
「お腹いっぱい食べにくるとこじゃなく、会話も味も遊ぶ?」
「そういうこと。そういえばてっちゃんとこうやってサシで呑むのって初めてじゃない?」
「そうだね、いつも宴や旅の中では呑むけれど、大人数だものね」
「今夜はゆっくり遊ぼうよ」
         ノムラテツヤ拝
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俵山温泉

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『全国平成温泉番付』というものがある。
東の横綱が青森県の酸ヶ湯なのは分かるが、西の横綱の山口県俵山温泉ってどこ? というわけで、稲荷参拝の後、ヘアピンカーブを上りながら、その秘湯を目指した。
ハッキリ言って、渋かった。というか、未だにこんな渋い温泉があることに驚愕した。
村の人たちが集う公共温泉は、無色透明。
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身を浸すと、じんわりと体の中央に響く感じだ。でも、どうしてこれが横綱に?
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温泉を初めて学問としてとらえ、温泉学の分野を切り開いた温泉教授の松田忠徳氏。その番付基準は抗酸化作用だという。酸化させない=老化させない温泉のトップにこの俵山温泉が当てはまるというのだ。
夕方になると村にひとつ、またひとつと橙色の明かりが灯る。まるで時代がタイムスリップしたかのような光景に、僕は日本の底力を思い知った。
                ノムラテツヤ拝
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