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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

あわいの刻

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知床半島の夕日は美しい。
宇登呂の奥に広がる大海原に、真紅の日の丸が落ちていく。
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雲は最後の光を吸うように色づき、世界をピンク色に染め上げる。
鳥の囀り、森のざわめき、海の波音が、フェードアウトし、静寂の刻(とき)を迎え入れる。
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大自然という美が一瞬とどまる時間帯、それを日本では古来より間(あわい)と表現し、世界では「ブルーモーメント(蒼のとき)」、「マジックアワー(魔法の時間」と呼ぶ。
               ノムラテツヤ拝
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ゲーム・チェンジャー

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『ゲーム・チェンジャー(Game changer)』。
常識を根底から覆すようなカメラα9の発売時に使ったソニーの名文句だ。
まさにあの時が分岐点となり、カメラはデジタルからAIにシフトした。昔は腕の良いプロしか出来なかった人の瞳だけにピントを当て続けることも、今では瞳AFでいとも簡単に。そして遂に動物にもその枠が広げられた。
カメラに最新レンズの400mmf28GMを付けて、キツネやエゾシカを狙う。四角い枠が出て顔を捕らえた次の瞬間、枠は更に小さくなって、瞳に合焦した。
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遂に時代はここまで来たか・・・。これから先は、アマチュアとプロとの差が更に無くなり、逆転が起こっていく時代になる。写真を撮るだけの専門職は消え、写真家の仕事は、撮影、執筆、構成、デザイン、講演、売り込み、制作、ガイドなど総合力が要求されるのだろう。時流を掴み、先回りした者だけが、生き残る時代。僕もそんな大きな波に乗って、世界を見つめていきたいと想う。
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「現在の写真業界はどこまで進んでいるのか?」
新作を含めた絶景写真100枚を交え、新機能のマル秘設定もお伝えしたい。
明日からの週末は、ぜひ有楽町ビックカメラセミナーへお越し下さい。
http://bit.ly/2HYtP1m
カメラ業界は、まさにゲームチェンジャー。常識が覆る日々が続いている。
           ノムラテツヤ拝
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ヒグマとの再会

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知床にやって来た目的、それは今秋50名ほどをアテンドするので、そのロケハンと最新カメラ&レンズのテスト撮影。対象は、もちろんヒグマだ。
今までアラスカで50頭以上、知床で20頭以上と対峙してきたが、出逢うコツはひとつ。春先から初夏にかけての気候、天気や気温、湿度などから得られる様々な情報を加味してシュミレーションを繰り返すこと。
「もし自分が熊だとしたら、いつ頃、どんな場所で、何をしている?」
前日までにありったけの妄想を膨らませ、日の出前の午前3時から探し始めた。一昨年、去年と出逢った中で、僕は1つの場所に当たりをつけていた。
宇登呂から知床峠を上がり、そこからちょっと森の分かれ道を行く。ここにいかにも熊が好む斜面がある。それを見渡せる丘を登って行くと、突然腕の毛が逆立った。この近くに何かがいる。野生の気配がどんどん強くなり、舌がカラカラに乾き始める。息を呑んで気配をひそめ、周りに注意するが、僕の存在に気づいたのか、野生の氣がふっと消えた。
目的の丘まで登りきると、対面のフキの茂みがザザッと揺れた。望遠レンズを付け、焦点を合わせる。腕の毛が逆立つと同時に、黒い影が動いた。
間違いない、ヒグマだ。ジッと身を潜めていると、熊が斜面を下りてきた。大きな倒木の前で座り込み、フキの幹から水分を口に運んだ。背後から風が吹く。風下の熊は、僕の匂いを嗅ぎ取り、頭をグッと持ち上げた。
目は穏やかだ。
こうであれば、熊は目の前のことに集中しているので、襲ってはこないが、しばらく森の中にいると距離が縮まってきた。その時、ヒグマの方から「もう少し離れろ!」と目で合図された。
人間と野生動物が決して冒してはならない距離(ナチュラルディスタンス)がある。僕は頭を下げ、静かに山を下りた。
              ノムラテツヤ拝
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シリエトク

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「シリエトク」、アイヌ語で大地の突端を意味し、これが知床の語源になっている。
今日は、宇登呂港からまさにシリエトクの知床岬まで、船に乗った。まず目を瞠るのが、水の王国と呼ぶにふさわしい滝の多さ。鉱物を含んだカムイワッカの滝は、滝つぼがエメラルドグリーンに染まり、日本に2つしかない(もう一つは屋久島)川が海へ直接落下する「海岸爆」は、陽光を受けて虹色に光る。
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エゾシカの群れの前を、一頭の熊が横切っていく。
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最強の熊とは言えど、リスクのある狩りは余程のことがない限りしないのだ。
去年の冬生まれた小熊は、少しだけ大きくなってきた。お母さんの後をついて、ひとつ一つ学んでいる最中。全てのものがキラキラと輝く季節。知床にようやく初夏がやってきた。
           ノムラテツヤ拝
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開墾の大地

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羽田~千歳経由で、道東へ飛んだ。千歳からはボンバルディアの双発機で、日高山脈を眺めながら、機体は最終着陸態勢に入った。
20代の頃、僕は自然を撮影するとき、人間は勿論、出来るだけ人間味も写らないようにした。でも40代になってからは、何か心がリンクするのかな? 人が苦心して作り上げた大地がとても好きになった。
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特に北海道は石ころや木の根っこばかりあったところを一つひとつ取り除き、斜面を耕作していった開拓民の血と汗の結晶。眼下からその整然と並ぶ新緑の美を眺め、青空の下、女満別空港へ吸い込まれた。
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「好きな時に、好きな場所に、好きなだけ」
ようやく出来るゾーンに入ってきた。体の声を聴きながら、人生のスピードをもう一段階、上げていこう!
              ノムラテツヤ拝
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