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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

好みの理由

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いざマチュピチュへ。
オリャンタイタンボの駅に入ってきた、ビスタドームの青き列車。乗車しようと検札を受けると、そこに黒人の美女が立っていた。
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白人、黄色人種、黒人。どの種族にもやっぱり美人さんがいる。でもその中で最も美人だと思うのは?と聞かれたら、僕は黒人と答える。シヴァの女王を想い浮かべてもらうと分かりやすいかな?
そもそも、自分の好みって一体何だろう? どうしてAという人を美人だと認識し、Bという人をそう認識しないのだろう?
脳科学では、好みのタイプは脳の偏桃体という部分で生まれ、偏桃体は3歳までの刷り込みによって決まるという。そして匂いの検査では、自分と似ている香りは受け入れず、まったく違う体臭の人を選ぶという。
でも、それって本当かしら? もしそうだったら、僕は三歳までに黒人の人を沢山見たってことだもの。やっぱりベースは3歳くらいまでに決まるんだろうけれど、見たことの無いもの、珍しいものに、古今東西惹かれるんじゃないかな?
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瞳がぱっちりしている西欧の女性。そこに生まれた男性は、目の細い僕たち東洋人に妖艶さを感じるし、その逆もまたしかり。きっと、自分の今まで見てきた人の顔が脳内で整理され、感覚神経に伝わるのだ。
自分の美人センサーが発動した時、僕は迷わず話しかける。
出発前はパチリと記念写真、帰り際はすっかり打ち解け「私はこう写るわっ!」と長い舌をペロリ。僕も負けじと・・・。
              ノムラテツヤ拝
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聖なる塩田

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インカ文明を影で支え続けたマラス塩田。プレインカの時代から続いたというから、もう1000年以上も続く塩の精製所だ。
山から塩分濃度20%(海水の7倍)が塩水が流れ出し、それらを棚田状にして天日干し。強烈な直射日光により、約1ケ月で茶色から純白の塩となり、皇帝の住むクスコに運ばれた。
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もしマラスが無ければ、クスコが標高3400mのアンデス山中に建てられることは無かっただろう。
塩田で働くおばあちゃんが、今日の仕事を終えて、あぜ道を上っていく。声をかけると、振り返って、大きく手を振ってくれた。
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アンデスに立つと、こんなに気持ちが凛とするのは何故だろう? それは、連綿と伝統を繋ぐ、誇り高きインディオさんがいてくれるからに違いない。
                 ノムラテツヤ拝
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