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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

シャチ

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北極、南極、アラスカ、カナダ、アルゼンチン、アイスランドと世界中でシャチを見てきたが、羅臼で出会った個体は僕に大きな衝撃を与えた。
一般に体長が4.5m以下の小さいものをイルカ、6~9mがシャチ、更に大きいものがクジラと区別されるが、イルカもシャチも同じ鯨類に入る。
御蔵島を筆頭にイルカの人懐っこさは広く知れているが、アラスカを回遊するザトウクジラもまた人間に強い興味を抱く。でも、シャチだけは違う。シャチ、鯱、オルカ、キラウェール、呼び方は様々だが、どれも「海のギャング」と呼ばれるに相応しい威容を誇っている。アルゼンチン沖でのシャチがアザラシを襲う瞬間をテレビで見たことがある人は多いだろう。
羅臼港から出航し、しばらくすると沖合で一本の飛沫が上がった。船はエンジン全開、近くまで向かうと、眼前の光景に目を疑った。なんと、別の船の舳先を、まるで誘導するかのように二頭のシャチが並走しているのだ。
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「イルカか?」と突っ込みたくなるほど、シャチは人間を乗せた船を明らかに意識しながら、遊んでいた。
「なんでこんなに懐いているんですか?」
同乗した研究者に聞くと、面白い話を聞かせてくれた。
「シャチには獣類を襲う肉食系、魚だけを食べる草食系、どちらも食べる雑食系に分けられますが、羅臼ではその3タイプのすべてが確認されています」
「ということは、今見ているのは草食系?」
「ではないかと、我々も推測しています」
嘘みたいな本当の話。草食系は、やっぱり気持ちがおっとりなのかな。
「一体このシャチは何処からやって来るんですか?」
「我々を含め、いくつかの大学機関も研究しているんですが、未だ分からないんです」
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まだ謎の多き羅臼のシャチだが、主戦場を想像することはできる。冬に羅臼で赤ちゃんを産み落とし、夏になると北方四島、カムチャツカ、アリューシャン列島まで北上する。豊饒な食を堪能し、また冬になると暖かな羅臼の海へと戻ってくるのだろう。
世界で一番人懐っこいシャチを見たい方は、ぜひ知床・羅臼の海へお出かけ下さい。すこぶる可愛いですよ。
               ノムラテツヤ拝
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

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