fc2ブログ

写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

奥庭

DSC05558_201908220653148cb.jpg

岐阜→チリ・パタゴニア→富士山三合目→熱海→南アフリカ→イースター島→藤沢→横浜と今まで移住を繰り返してきたが、国内だけに絞ると、山梨、静岡、神奈川だ。その理由はひとつ。日本で最も恋焦がれる山「富士山」の傍に居たいため。横浜の家からは、有難いことに富士山が裾野までバッチリ見えるロケーションだ。
香港でお腹ポンポンになって帰国。すぐさま富士山のロケハンへでかけた。今回の舞台は、山梨県側の奥庭。とてもマイナーな場所だが、住んでいた時に通い続けた天界のような地。
ハクサンシャクナゲが咲き誇り、愛する巨木たちも緑の海に身を浸していた。
DSC05717.jpg

カラマツは薔薇のように身を開き、地衣類はまるでサンゴのように岩肌にへばりつく。
TET03667.jpg

好き。やっぱり、僕は富士山が大好きなんだな。
               ノムラテツヤ拝
TET03776.jpg
ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン人気ブログランキングへのクリックをお願い致します!以下のライオンボタンの上でクリックしてみて下さい。吠えます!
人気ブログランキングへ

テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

日本 | コメント:0 | トラックバック:0 |

黄油蟹の味

DSC02373_2019082106261310a.jpg

僕の大好物は、昔から変わらない。
納豆、鰻、蟹だ。
世界中で、様々な蟹を食べてきたが、目の前にある黄油蟹は世界一のひとつだ。
DSC02375.jpg

香港、それも北へ1時間行った流浮山周辺でしか取れない幻の蟹。真夏の浜は熱せられたフライパン状態。そこに卵を抱えた雌の蟹がやって来ると、あまりの熱さのために、卵自体が溶け始め、膨張し、体中から泡としてあふれ出す。その時を狙って漁師たちは捕獲し、それらを食べるというわけ。なので、黄油蟹の雄は食べず、卵を持つ雌だけが食卓に上がるのだ。
今年は時期もずれて、蟹の数も少ないと言われていたが、何としても食べたいと現地の友に頼んで、奇跡の6杯を揃えてもらった。20分後、蒸されて出てくると、美味そうな純白の湯気が立ち昇り、ほのかな甘みが含まれた。
DSC02390.jpg

味はまず最初に清流の藻のような青さが押し寄せ、口内が肉の旨みで溢れ、最後にほんのりと苦みが続いた。
DSC02396.jpg

爪の先まで卵が詰まり、蟹味噌みたいにしっとりとマットな食感。DSC02404.jpg

油っぽさは無く、それらが旨みをコーティングしている。そう、まるでマニキュアみたいに。ずっと舐めていたい、無言でしゃぶり続けたい圧倒的な味。冷えてからは、マットな肉が発酵した旨みを纏うように深みが増した。
DSC02402_20190821062625d7e.jpg

どこまで美味いんだ。技ありの香港夏蟹。全身蟹卵の黄油蟹。流浮山の蟹味は、無限の奥深さだった。
食べ終えた後の手の香りも最高。あぁ、匂いよ、消えないで~!
             ノムラテツヤ拝
DSC02378_20190821062612a01.jpg
ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン人気ブログランキングへのクリックをお願い致します!以下のライオンボタンの上でクリックしてみて下さい。吠えます!
人気ブログランキングへ

テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

香港 | コメント:0 | トラックバック:0 |

味蕾

DSC02287.jpg

「若い時に美味しいものを腹いっぱい喰っとけ!」
僕が27歳の頃に聞いた敬愛する阪根ひろちゃんの言葉だ。その後、ペルー中の美味しいものをご馳走になったことは言うまでもない。
「若い内に美味しいものを食べ過ぎると不幸になるって言うヤツがいるだろ?そんなのは聞かなくて良いんだ。そういうヤツに限って本物を食べてないんだから。俺を見ろ、美味しいものを腹いっぱい食べた先にしか見えない世界があるんだ」
日々、食事と共に人生訓を聞かせてもらっていたあの頃が懐かしい。
ひろちゃんの言葉の理由は明快で単純だ。若人の味覚と、老人の味覚は、確実に後者の方が劣っていく。味蕾そのものが鈍く、退化していくという。
DSC02318.jpg

「年取ってから美味いもの食べたって、今度は糖尿病だ、あらコレステロールだ、中性脂肪だって言って、気持ちよく食べられないしな」とよく笑っていたっけ。
DSC02315_20190820180430285.jpg

そして、ひろちゃんを見て学んだこと。それは前歯がどれだけ味覚に関係あるかということ。差し歯になると、一気に味わえなくなるというのだ。
DSC02325.jpg

そんなわけで、僕はひろちゃんの言葉通り、若い時から美味しいものをお腹いっぱい食べることを心がけてきた。
DSC02330.jpg

今回の香港旅も、流浮山で海鮮三昧。目の前のテーブルには4番バッターがずらりと並んだ。黄油蟹、マテ貝、
DSC02347_20190820180538cca.jpg

小海老のから揚げ、
DSC02341.jpg

伊勢海老、
DSC02353_201908201805375ed.jpg

アワビ、
DSC02361_20190820180537408.jpg

空心菜、
DSC02368.jpg

そしてハミュウ(蒼白魚)チャーハン・・・。
それらを、大好きな仲間たちと笑い合いながら味わい尽くす。
「大人って良いもんだね」と安藤さんが目を細め、それを聞いた加藤さんがニヤリ。こんなやりとりも含め、ほんと年を重ねるって素敵なこと。一瞬一瞬、一食一食、大切に日々を過ごしたいと願う。
              ノムラテツヤ拝
DSC02370.jpg
ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン人気ブログランキングへのクリックをお願い致します!以下のライオンボタンの上でクリックしてみて下さい。吠えます!
人気ブログランキングへ

テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

香港 | コメント:0 | トラックバック:0 |

香港へ

DSC02180_20190820063750339.jpg

自由とは、選択肢が多いこと、そして責任を自身で取れること。そう定義すると、子供から大人になる楽しみが見えてくる。年齢を重ねるに従い、「好きなときに、好きな場所で、好きなことをする」選択肢を増やせるのだ。
話はちょうど、1年前にさかのぼる。
名古屋の仲間、加藤さん、安藤さんと食事をしているとき、蟹の話になった。僕は香港で食べた黄油蟹のマットな味が忘れられないと言ったら、加藤さんが「良いなぁ、食べたいなぁ」とポツリ。
「それなら、来年の旬に出かけましょうよ」
黄油蟹は、香港界隈では世界一の蟹と謳われ、出回る時期もたった2週間と短い。
「もちろん、僕も行くから」と安藤さん。
サガリバナの咲く石垣島から羽田へ戻り、皆で香港へ飛んだ。
1年ぶりの香港は、100%の湿度に包まれていた。
DSC02196_201908200637502da.jpg

ホテルに荷を下ろし、まずは愛する海天堂で、温かな亀ゼリーを頂く。
DSC02245_20190820063749e29.jpg

苦くて、味わい深く、しみじみと美味いなあ。
             ノムラテツヤ拝
DSC02249_20190820063749160.jpg
ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン人気ブログランキングへのクリックをお願い致します!以下のライオンボタンの上でクリックしてみて下さい。吠えます!
人気ブログランキングへ

テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

香港 | コメント:0 | トラックバック:0 |

サガリバナツアーの総仕上げ

DSC05389_20190819171840f62.jpg

旅の総仕上げは、石垣島、いや沖縄県で最も美味いソーキそば屋から。その名は「明石食堂」、出汁の聞いた上品なそばを啜ってから、秘密の森へ出かけた。
DSC01197_2019081917184115f.jpg

ヘッドランプの明かりを頼りに進むと、今日もバニラのような甘い香りが漂ってくる。ここが日本最大のサガリバナの森。
明かりをしかるべき場所から当てると、サガリバナが妖艶に闇に浮かびあがる。
DSC05322_20190819171841bc0.jpg

それらをキャッキャ言いながら、皆が撮影する。僕が美しいと思ったものを、縁ある仲間たちが同様に喜んでくれる。こんな幸せなことってあるだろうか。その笑顔を見ているだけで、ツアーの用意にかかった手間暇が吹き飛んでいく。
大自然は限りなく深く美しい。圧倒的な地球の微笑みを、これからも皆で見つめていきたいな。さぁ、まだまだ人生は始まったばかり。地球を死ぬまで遊びきるぞ~。
             ノムラテツヤ拝
DSC05408.jpg
ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン人気ブログランキングへのクリックをお願い致します!以下のライオンボタンの上でクリックしてみて下さい。吠えます!
人気ブログランキングへ

テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

日本 | コメント:0 | トラックバック:0 |
<<前のページ| ホーム |次のページ>>