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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

晦日もうで

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今年も、過去にないほど、突っ走った年だった。
よく20代よりも30代、30代よりも40代になると、時間が過ぎるのが早くなると人は言うが、それは生物学上で確かにある。ならば、その感覚を逆手にとり、日々のスピードを過去よりも少しずつ早めれば良い。そうすれば、1年の体感速度は、変わることなく進んでいく。
ツアーアテンドで、オーロラ、中部パタゴニア、ウユニ塩湖、イースター島、ペルー、ハワイ、西表島、知床などをさせてもらい、中米、マルタ、チュニジア、アラスカ、カナダ、中欧各国、パラオ、中央アジアなどを個人的に旅した。隙間を縫うように出版する写真絵本やエッセーの原稿書きをして、講演は20回ほど。その間、何度か体調を崩しそうになりながらも踏ん張り、最後まで健康体を維持してくれた心と体と魂。
今日の大晦日は、自分を生かしてくれた大いなる神々に、感謝の念を捧げに行く日だ。向かった先は、まさしくアラビアンナイトの舞台。世界中から巡礼に訪れる聖地。お正月ではなく、大晦日に詣でることを、晦日詣(みそかもうで)と呼ぶ。聖地は何かをお願いするところではなく、感謝の念を捧げて置いてくる場所。その念が降り積もってこそ、より神聖な場所が保持されていくのだ。
「今年も一年、無事に生かしてもらい有難うございます。貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます」。両手を広げて深呼吸、荘厳な氣が体の隅々を祓い、凛とした気持ちが湧き上がった。
皆様、今年もたいへんお世話になりました。素敵な大晦日をお迎えください。
             ノムラテツヤ拝
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中央アジア | コメント:0 | トラックバック:0 |

プリズレン

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マケドニアからコソボへ。ここに訪れてみたかった街がある。
プリズレン。街には頑強な石橋が架かり、
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川べりのカフェではおじさまたちがガラス越しに談笑中。
見晴らし台へ登ってみると、赤い屋根がはるか地平線まで続いていた。
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最近、切に想うことがある。地球、それはすべて美でできていると。
               ノムラテツヤ拝
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慈悲のひかり

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マケドニアのスコピエが生んだ偉人と言えば誰を思い浮かべるだろう?
1979年、ノーベル平和賞を受賞したマザーテレサだ。町の一角にある生家が記念館となり、その前にはやはりスコピエらしい銅像が立っていた。
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マザーテレサについて、好きな話が2つある。
ノーベル賞授賞式のスピーチで、「私のための晩餐会は不要です。その費用はどうか貧しい人々のためにお使い下さい」と仰られたこと。そして、「世界平和のために、私たちはどんなことをしたら良いですか?」との質問を受け、すぐさま「家に帰って、家族を愛して下さい」と返されたこと。出生証明やノーベル平和賞の賞状などが陳列された2階から3階へ上がると、そこは誰もが祈れる教会になっていた。
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真冬の斜光線が十字架と重なり、柔らかな太陽光が日だまりのように落ちていた。それはまるで、マザーテレサの慈愛の光のようだった。
                ノムラテツヤ拝
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立像の街

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愛するソフィアを発ち、お隣マケドニアの首都スコピエを目指した。
久しぶりのバス旅。10代から30代までは、いつもどこでもお世話になったバス。そんな懐かしさを覚えながら、車窓を見つめた。バス旅の良いところ、それは長時間の旅になりやすいため、休憩休憩で乗客との会話が必然的に生まれ、同じところへ向かうという不可思議な仲間意識が芽生えること。
スコピエのバスターミナルで、皆とハグして別れ、ホテルへ。地図を持たずにプラプラと散歩すると、導かれるように中央広場へ出た。巨大なアレクサンダー大王の像がそびえ、それを囲むように何体も偉人達の像が囲む。
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あちらにも、こちらにも。見渡すと、川べり、橋の上、遠くの公園にまで巨大像が立ち並ぶ街並みに、違和感を覚えた。
旅の醍醐味とはこんな時。嫌悪感や違和感が芽生えた瞬間、それはどうしてなのかを自問自答する。
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すると、自分の思考の癖や刷り込みが湧き上がってくる。
「ここまでヒーローや偉人って「像」にするべきなのか?」
ロシア文化圏だったからこその立像というのは、もちろん分かる。でも、そこではなく、日々、偉人にここまで囲まれて生活した時、僕だったらどう思うかなと想像した後の違和感だった。
「ヒーローがいるのは、アイデンティや自信にも繋がるからきっと幸せなこと。でもヒーローがいることでしか幸せになれないという価値観はきっと不幸せ」。
マケドニアが、スコピエが、良いとか悪いではなく、すべては僕の問題。だからこそ、自分の小さな価値観やこだわりを開放するために、解くために、新たなものを見る、体験するというのは必要なのだ。僕は自分の小さなこだわりを、ひとつずつ解いていきたい。その先には静かな夜の湖のような平穏さが広がっていると思うから。
             ノムラテツヤ拝
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美人の理由

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ペルーにいる、阪根ひろちゃんに電話した。
「おう、今、どこにいんだよ?」
「ブルガリアなんですけれど、凄い美人国なんですよ。どうしてだと思います?」
「そんなん簡単だよ」
困ったときは、考えても、答えの明かりが見えないときは、いつもこの人頼み。
「てっちゃん、カスピ海ヨーグルトの話って前にしたよな?」
「はい、確か黒海の乳酸菌が世界で一番元気だったんですよね?」
「そう、カスピ海ヨーグルトじゃなくて、黒海ヨーグルト。でもこれだと売れないんで、響きの良いカスピ海にしたんだ」
「それが何か?」
「まさにそれだよ、黒海周辺の強烈な乳酸菌を、ブルガリア人は代々食べているんだぞ。生まれた時から、それらに囲まれ、DNAにも当たり前のように刻まれている」
「強烈な菌によって、常に腸内が世界で一番綺麗だからこそ、外面も美人になる。医食同源ですね」
「まっ、そういうことだ」
人の好みは主観なので、絶対はありませんが、ブルガリアの女性、美人ですぞ。
              ノムラテツヤ拝
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