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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

時間のひみつ

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一期一会の出逢い。
それは偶然だという人もいれば、必然だという人もいる。僕はどちらも正しいと信じる。どこからその事象を見つめるかによって、見え方は違ってくるのだから。
確信しているのは、この地球では、すべてが双方向で進むという事実。自分が強くイメージして想えば、こちら側からは発動する。でもそれらをキャッチする側が現れなければ、強い“出逢い”とはならない。
5年前、テレビ番組のロケで最初に逢った時、遣都と約3週間共に過ごし、毎晩、何かしらを語り合ったっけ。今の自分と、未来のなりたい自分。それらをイメージし、どうしたらそこに進んでいけるか?を真っすぐな瞳で聞いてきた。
僕が答えたのは、誰もが言うシンプルで当たり前のこと。でもそれを聞き、若い体に浸み込ませ、愚直に邁進すれば、その夢へ一直線へ上がっていく。人生、クネクネ周り道している時間なんてない。1分、1秒たりとも無駄にしてはならない。
その理由を、僕は想像する。まず、この世とあの世という世界があると仮定しよう。そしてあの世は肉体を脱いだ魂だけの世界観だとする。例えば、憧れのマチュピチュに行きたいと願えば、その瞬間“魂自身”は、マチュピチュにいる。好きなだけ宙を巡りインカの遺跡を見つめることが出来るだろう。好きな人に会いたいと思えば、一瞬でその人の下へ行け、好きなだけ側にいることだってできる。そんなあの世の暮らしを、1日、1週間、1カ月と過ごせば、きっと、いや、必ず飽
きる。そして僕はこう思うはず。
「あの地球で生きていたときの、面倒くさいと思っていた手間が、愛おしい」と。
マチュピチュに行くために、飛行機と電車とバスを乗り継いで、ようやく立てたときの突き抜ける感動、予定を合わせ、仕事のやりくりをして、ようやく好きな人と逢えたときの爆発するような湧き上がる気持ち。それらはすべて手間という労力と、生きとし生ける者たちに与えられた時間の先に得られる奇跡のような体験なのだ。
だからこそ、大切にしなくちゃいけないのは、自分が常にご機嫌様でいること。そして今この瞬間を慈しみ、かかる手間に感謝し、流れゆく時間(とき)を大切にすること。
「この時間は本当に自分にとって必要なのか? 自分が望み、やりたいと想った時間なのか?」を常に自問自答し、そこに集中していけば良い。時間とは、つまり命に他ならない。命をどう使うか=時間を何に使うかに尽きるのだ。せっかくこの世に生かしてもらっているのなら、思いっきり“手間”と“時間”を楽しまないと、あの世で後悔するのは目に見えている。だからこそ、今日は大人になりつつある遣都の舞台を見る。それが僕のしたいこと。そして舞台が終わってから、屈託のない顔で現れた遣都とゆっくりと呑む。遣都の近況を聞き、仕事の裏話に感心したり、新たなニュースに驚かされたり、そしてこれから先の未来について語ったり。
「遣都、なりたい自分へ、真っすぐ、真っすぐ、駆け上がれ!」
突然、個室の電灯が消えた。キョロキョロと辺りを見渡す遣都を横目に、さぁ、始めようか。
「ハッピバースデー・トゥーユー、ハッピバースデー・トゥーユー、ハッピバースデー・ディア・遣都~!!! 29歳おめでとう!」
「えっ、すみません。僕なんかのために・・・」
「ふふふ、遣都のためだけじゃないから安心しろ。俺も12月生まれだ」
「あっ、そうですよね」
ケーキ上には29歳の遣都、そして45歳の自分のローソクが煌めいた。
              ノムラテツヤ拝
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