fc2ブログ

写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

親子ぐま

AL-009.jpg

アラスカで初めてヒグマと出逢った時の感動は、今も忘れない。
早朝ナクネック湖に、黒い影が揺れた。息を殺して望遠レンズを向けると、その横にも小さな影が。実際は親子ぐまが、朝の狩りをしているのだけれど、僕には気持ち良さそうに温泉に入っているようにしか見えなかった。
幼稚園で講演させてもらった時のこと。ある子供のお母さんが僕に歩みより、こう呟いた。
「野村先生、子供たちの感性って本当に素晴らしいですね、私なんて日々感動しちゃって」
「ほんとうですね。今日も何が飛び出すか、楽しみにしていますね」
講演が始まり、この写真に切り替わった時、子供たちに質問した。
「ねぇ、ねぇ、これってどんな風景だと思う?」
皆、必死で手を挙げているが、後ろで座っている父兄席からも手が挙がった。珍しいなと思い、「そこのお母さん、どうぞ」と指すと、さきほど歩み寄って来たお母さん。
「えっ、私が一番最初で良いんですか?なんだか緊張しちゃうな。その写真って、三重県のアソコですよね?」
「えっ?」
「ほら、先生。あの場所ですよ」
「お母さん、ひょっとして「賀正」とかに出てくるアソコですか?」
「そうそう、伊勢・二見浦の夫婦岩」。
聞いた瞬間、大人たち、先生たちは、見事にズルッっと滑った。
「あぁぁぁ、確かにそうも見えますよね」
すぐさま、手を挙げる子供に目を向けると、
「親子の熊さん、きっと下でお手手繋いでいるんだね」
その言葉を聞いたお母さんは、顔を真っ赤にして俯いた。
子供の感性も素敵ですが、お母さん、あなたの感性も最高です!
ノムラテツヤ拝
ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン人気ブログランキングへのクリックをお願い致します!以下のライオンボタンの上でクリックしてみて下さい。吠えます!
人気ブログランキングへ

テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

アラスカ | コメント:2 | トラックバック:0 |

フラクタル

IMG_5484.jpg

一本の川が流れ、そこに無数の支流が分かれていく。
じっと見つめていると、自然界には直線というものがないことに気付かされる。
すべては柔らかく蛇行し、体内を流れる毛細血管のよう。そう、川を流れる水はまさに血液。山が頭で、海が足。それらを結んでいるのだ。
マクロで見ると地球で、ミクロで見ると人間。
僕らはフラクタル構造(入れ子構造)で互いに呼応し合い、映しあっている。
           ノムラテツヤ拝
ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン人気ブログランキングへのクリックをお願い致します!以下のライオンボタンの上でクリックしてみて下さい。吠えます!
人気ブログランキングへ

テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

日本 | コメント:0 | トラックバック:0 |
| ホーム |