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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

エゾシカとの距離感

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日々の積み重ねのお陰かな。ようやく、エゾシカとの距離感が取れてきた。考えず、そして感じる。鹿と一緒にいると、近づいても良いよという時間と場所があることに気付く。重要なのは、鹿の気分を損ねないこと。あくまで彼らの聖域に入らせてもらう闖入者という立場で、敬意を持つこと。
そうすれば、必ず自然は、野生は応えてくれる。羅臼岳直下で出逢った鹿は、ピカピカの瞳で、僕を迎え入れてくれた。
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大切なのは、毎日慈しみ、積み重ねること。何事も、近道は存在しない。
             ノムラテツヤ拝
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阿寒の夢

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「人生で本当にやりたいと想えることは、それほど多くない。もしそれに出逢ったなら、その夢を大切に育んでいって欲しい」
写真の師匠から言われた瞬間、僕はワイルドライフ・フォトグラファーになることを決めた。
「自然」を撮影する。これは突き詰めていけば、自分の「心の内側」を観ることに尽きる。例えば、森の奥に大きな湖があるとする。どんなに晴れ渡っていても、無風の状態でも、心がザワザワしている人がやって来たら、不思議と湖面にさざ波が立ち始める。まさか、と思われるなら、試して欲しい。自分の内面と外面(自然界)は寸分たがわず一致しているのだ。だからこそ、昔から人間の内側にも外側にも宇宙があるという叡智が生まれた。華厳経の「宝珠の網」、一即多、多即一の思想だ。
難しい話はどうでもいい。すなわち、自然はいつもその人にとって最良の風景を見せてくれるということ。雨が降って山が見えない。雲ってしまって海が鉛色。これは天のせいではない。今の自分の心の在り方が筆となり、眼前に描き出しているのだ。そこにこそ、自身が最も学び取れるチャンスがある。
「オンネトー」。北海道の阿寒の森に、原初の湖がある。今日も湖畔に座って、自分の心の状態を自然という鏡で見せてもらう。
ここに来られたことに感謝し、阿寒岳、雌阿寒岳に住まう神々の幸せを想う。そして呼吸を深く、回数を減らしていく。頬の表面を風が走り、湖面はザワザワする。まだ想いを手放さないと。一つひとつ解いて、それらを感謝と共に昇華させていく。やがて地球の、宇宙の、それらがそこに在ってくれることに、嬉しさが湧き上がってくる。自我は薄れ、ただ目の前の「在る」風景の一部になる。次の瞬間、シャッターが無意識にきれた。
                ノムラテツヤ拝
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