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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

カックウ

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1975年の夏、農作業をしていた地元の主婦によって、中が空洞に作られた中空土偶が発見された。南茅部町の中空土偶から、「茅空(カックウ)」の愛称でも親しまれる、北海道初の国宝だ。著保内野遺跡から発掘された実物は41.5cmと大柄で、3500年前(縄文後期)に作られたという。
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カックウ(土偶)は土器と違い、破壊されるために作られたもの。壊すことによって「死と再生」のイメージから永遠性に転化させる縄文思想の象徴、つまり日本の霊性の原点とも言うべき存在だ。間近で見ると、頭から足先まで細やかな幾何学模様、縄文模様が散りばめられ、とても壊すために作られたとは思えないが、CTスキャンをかけると土の厚さを変えることで壊れる箇所と壊れない箇所を見事に調節していることが分かった。
今にも歩きだしそうなカックウ。国宝なのにも関わらず、周りには誰もいない。僕は吸い寄せられるように近づき、この肉体に込められた想いを感じた。これも足形付土板同様、まだ生きているような生々しさがある。久しぶりに、心から惚れた像に出会った。その名もカックウ。人生で必ず見るべき世界の至宝です。
          ノムラテツヤ拝
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輪廻の土板

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縄文早期(6500年前)の墓から、足形付土板(あしがたつきどばん)が発見された。楕円形のその土板を見ていると、縄文時代の死生観、思想観が真っすぐ心へ響いてくる。
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「死というものをどう受け入れるか」という命題は、人類が原初から持っている共通の恐れであり、信仰や宗教の根幹を成す。森と海に囲まれ、豊穣な大地に住み着いた縄文の人々は、四季を通した自然サイクルや、月の満ち欠けなどを観察することで、命の秘密に行き着いたのだと思う。
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「死と再生は混在一体であり、自然が日々再生を繰り返すように、我らの命(魂)もまた循環する」と。
亡くなった子供の足形を粘土板に写し取る行為は、輪廻再生を願う母の強き想い。そしてそれらを住居内に吊るすことで、共に寄り添い、また会える日を待ちながら生きたのだ。
驚くべきことに、縄文のその土板からも、9000年前に作られたという仰臥屈葬からの漆糸製品からも、まるで今もココに生きているような、生生しいエネルギーを感じる。
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きっと縄文の大ブームがやって来る。北東北、南北海道全体の縄文文化による世界遺産申請も、来年には間違いなく通るだろう。そして、次の部屋で、僕はその核心ともいえる縄文の国宝を、目にすることになる。
               ノムラテツヤ拝
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恵山

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道産子でも、ほとんどの人が行かないローカル地、それが恵山(えさん)だろう。渡島半島の南東端、太平洋に突き出た標高618mの活火山だ。
岩をくりぬいたトンネルをくぐり、キラキラと輝く海を右手に、遠く噴煙が見えてきた。
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「縄文の人たちは、間違いなく火山を恵みと考えて利用してきたというのが僕の説です」。この前、お逢いさせてもらった道産子の高田先生の言葉が蘇る。少しずつ山道を登っていくと、突然、展望が開き、山の威容が迫ってきた。まるで千手観音のよう。麓を歩くと、仏像や薬師如来などが数多く祀られていた。
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そう、僕らは縄文時代から「心」は何も変わらない。大きな石や樹にも神を見るが、何より尖った山や象徴的な山を神とした。
どうだろう、この巨大な観音像は。人々は、この山を見た瞬間、きっとひざまずいただろう。南北海道にめぐみの山「恵山」がある。別名を「千手観音岳」という・・・、嘘です(笑)。
            ノムラテツヤ拝
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南北海道

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早朝便で羽田から北海道へ飛んだ。
知床・羅臼へ戻る前に、今回は函館で途中降機。12年ぶりの南北海道だった。
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ここに愛すべき伝説のラーメン店があった。僕のラーメンランキングは塩、醤油、味噌で、その塩の最高峰が函館駅近くの星龍軒だった。三つ葉の乗った美しき透明スープは、一口飲んでもあまり味がせず、最後の汁を呑み干す頃に全ての味が滲みてくる。今までに食べたことのない繊細なラーメンだったが、ミシュランに掲載されてからは長蛇の列となり、店主の過労によって閉店してしまった。
もうあのラーメンが食べられないのかと落胆していたが、ある噂を聞いて、函館のH店を訪れた。僕は濃い味やキツイ味があまり好きじゃないので、限りなく薄味で、手間をかけた後味が浮かぶ味が好き。まさにH店の塩ラーメンは、丁寧に出汁をとった白湯スープに、細くコシのある麺のコラボレーション。
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一口啜った時に、涙が出そうになる。味がうっすらしかしない、でも魚介系の後味がじんわりと浮かんでくるのだ。
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そう、これこれ、これが本物の函館塩ラーメン。星龍軒亡き後、函館ラーメンをしょって立つ店になっていくのだろう。閉店があれば開店もある。世の中は諸行無常に巡っていくのだ。
さぁ、腹ごしらえしたところで、初めての南北海道マニアック旅へ出かけよう!
                 ノムラテツヤ拝
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阪根大学4

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ちょっとビックリした。
時間が進むごとに、意識の次元が螺旋を巻きながら上昇し、皆で別の世界へ突入していった。
阪根大学は会を重ねるごとに、僕の予想を遥かに超えて成長していく。第四回目は、舩井かっちゃんが3次元、5次元、9次元の差異とその視線について丁寧に話してくれ、
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あんちゃんが、大自然から得る光の建築イメージとポストコロナでの経営の変化を、
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光田兄が最近はやりの陰謀論を論破し、本当に洗脳されていることは「生と魂の関係」だと学生に分かりやすく説いた。
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有難いことに、カリスマ講師たちは、前の人の話にリンクさせながら真剣に自由自在に会話を上げていける人ばかり。場は一時天界のように持ち上がり、皆の意識が一気に絡み合いだした。
『ポストコロナによって、どのように仕事の在り方が変わっていくのか?』
後半のテーマは、それらを話し合う。
仕事と遊びの差が無くなり同化していくと思うと学長が話せば、
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すかさず断捨離のひでこさんが、仕事ー遊びー学びが三位一体になってその中心が仕事になると絡み合う。
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まるで十種の神宝(とくさのかんだから)の世界。おのおのが自分の好きな、集中できることをすることで、地球と同化し、誰かの何かのお役に立たせてもらうのだ。
そして珍しく静かに聞いていた我ら赤塚じんじんが口を開けば、場が一気に盛り上がる。ポストコロナについて、ジョンレノンのサングラスについて、今回も、全てを持っていきましたね。さすが、口から生まれただけはある(笑)
阪根学長、山元副学長のためにひと肌ぬごうと集まってくれたカリスマ講師陣、事務局の僕が言うのも何ですが、絶妙なメンバーですね。
ノムラテツヤ拝
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