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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

知床ライフ

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知床に憧れ、撮影に来る写真家志望の若者たち。彼らから毎度、同じような質問をされる。
「どうして野村さんは熊に逢えるんですか?」
答えは簡単、「好きだから、逢いたいから、学びたいから」。でも、それだと納得してくれないので、もうちょっとかみ砕きますね。
まず好きだからこそ、熊の撮影地に入れば、僕はほぼ寝ない。日の出2時間前にはもう外で撮影しているので、起きるのは大体午前2時過ぎ。寝るのは11時~12時だから、正味睡眠は2時間くらいだろうか? こういう話をすると、大抵2つの反応が返ってくる。
1、そこまで根詰めて頑張るので、出逢えるのですね。
2、写真家って大変な仕事なのですね。
他の写真家の方々は知らないが、僕にとっては2つとも違う。根詰めるのではなく、熊の生息地にいさせて貰えるんだから、寝てるなんて勿体ない。そして人から見てどれだけ大変だと思うことでも、やりたいことをやっている人にとっては、何も大変じゃない。好きという原動力が、体の内面から突き動かしてくれるからだ。
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熊に逢いたければどうすれば良いだろう? やはり自分が熊だったらどういう行動を取るかを考え抜くこと。有難いことに、国内外で今まで200頭以上の熊と対峙してきているので、彼らの体から放たれる匂い、雑食の習性、どんなものを好むかが経験値で分かる。それは誰かに教えてもらうものではなく、ひとつひとつ自分で体験し、積み重ねていくしか会得する手はない。そして最後の学びたいから。熊はとても知能の高い動物だ。だからこそ、彼らの行動を観察することで、今の自分に置き換えて、様々な学びがある。
少し前に書かせてもらった、熊から「考えるな、感じろ!」と怒られた体験も、コロナ禍にまみれた僕を心底救ってくれた。写真家志望の若者の皆様、少しは分かってくれたかしら?
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熊を見つめていられるなら、僕は食べなくても、寝なくても良い。同じ空間にいさせて貰えるだけで、野生は最も大切なことをダイレクトに、こう伝えてくれる。
「感覚を信じろ、本能に従え、そして今一瞬に全力を尽くせ!」と。
             ノムラテツヤ拝
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知床残照

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知床の夕日の美しさは、日本屈指だと思う。
今日も空は強風が吹き抜け、雲が変幻自在にその姿を変えていく。
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風、夕陽、そして雲が絡み合う一大交響曲。
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自然の厳しい北の大地だからこそ、雲は真紅に染まり、太陽は線香花火色で海へ落ちていった。
           ノムラテツヤ拝
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USオープン優勝

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USオープン決勝、アザレンカ対大坂なおみ。
勝ったぞ~!
最初のファーストセットは、アザレンカの完璧な立ち上がりに押され、ミスもあって1-6で落とす。でも、2セット目の2-3からの3-3へ戻したブレークポイント、それもラブゲームキープで一気に流れを引き寄せた。
ボーイフレンドも見守る中、サーブは120マイルを越える。192キロのサーブって、男子のトップ並みだ。
ポーカーフェースで、まるで不動明王のような佇まい。腰を入れてのリターンショットは、正確で重かった。
2セット目を6-3で奪取し、ファイナルセットへ。全身バネのような躍動感で、ブレークもして4-2へ。もう圧勝かと思ったところで、アザレンカの逆襲が始まる。意地と意地のぶつかり合い。何度もADが移り、8分以上のゲーム、最後はアザレンカが4-2、そして4-3と見事なリターンが決まった。流れが一瞬アザレンカに行きそうなったが、自分のサービスゲームで安全策に出て攻め切らなかったところで勝負あり。大坂がブレークし、チャンピオンシップポイントへ王手をかえる。心のこもった魂のラリーの末、グランドスラム3度目、USオープンは一昨年に続いて2度目の優勝を果たした。
前回と違うのは、一回りも二回りも人間的に大きく成長してきたこと。今回は人種差別問題に手を上げ、マスクは今まで亡くなった7名分の名前を刻み、毎試合、一人ずつ変えていった。7試合、つまり決勝まで行かないと7名全てを紹介することは出来ないが、そこが大坂。やっぱり決勝へコマを進め、勝負にも勝ち切った。
試合が終わってからは、何かを回想するかのように青いセンターコートに寝転び、空を見上げた。立派なアフロヘアーが放射状に広がり、まるで動物界の王者ライオンのように見えた。
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1-6、6-3、6-3。
インタビューでは、アザレンカが「なおみ、おめでとう。次回もまた決勝で逢いましょう」と声をかければ、大坂は「決勝に入る前、あなたが怖かった。小さい時からあなたのプレーをずっと見ていました」と返した。相変わらずの優勝インタビューと思えないコメントに笑ってしまった。
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「センターコートに寝転んで何を思ったのですか?」とのインタビュアーの答えにも、大坂らしい答えが。
「試合が終わった後、崩れ落ちる時ってあるのですが、私は怪我をしたくないので、安全に寝転びました」
躍動する心と心のぶつかり合いを有難うございます。最高の学びでした。なおみさん、おめでとう!!!
                 ノムラテツヤ拝
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