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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

花の都

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「結局は東京なんだよ」
この言葉を聞くのが、若い時から大嫌いだった。僕は岐阜生まれのバリバリ地方出身者。だからかな、若い時は都会への強い反発があった。なんでだろ、それが対比に重きを置く若き性(さが)なのかしら?
30代からは外国2年、日本2年の移住暮らしを始めるが、国内は常に富士山が見える関東圏に住むことで2つの大きな気付きを得た。一つ目は、地方出身者は都会に憧れや反発を持つ一方、東京や横浜の人は、地方に対してまったく眼中にない、というか何も思っていない人がとても多いこと。そして食と芸術に限って言えば、やはり日本国家というシステム上、結局は東京なんだよという言葉に行き着いてしまう。それは住めば、住むほど奥深く、底が見えな魔界のようにさえ見える。
知床から戻ってくると、その煌びやかさに瞳孔は開きっぱなし。やっぱり、大切なのはバランスだなと都心へ出かけた。まずは食から攻めよう。東京には無数のレストランがひしめき合うが、昔からの味を守る奇跡の洋食屋が沢山ある。その内の一つ、東京の下町・根岸にある創業89年のKへ。頼むのは、もちろんハンバーグ。肉汁が溢れる上質な肉と、時間をかけて作られたデミグラスソースの舌触りに目を細める。
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カレーライスもしかり、伝統の味を守り抜き、今にマッチさせる進化も忘れない。
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江戸には、こんな素敵な店が星の数ほどあるのだ。ランチを終えて御徒町の松坂屋に寄ると、僕の大好物の「栗きんとん」が。岐阜の恵那や中津川が誇る日本の銘菓だが、以前60軒ほどの栗きんとんを食べ比べし、ぶっちぎりのナンバーワンだったのが中津川のMという店。それが、季節限定で松坂屋で売られていた。店の人と少しばかり岐阜談義で盛り上がり買わせてもらう。「結局は東京なんだよ」。すべてのものが、こうやって花の都に集まってきてしまうのだ。
            ノムラテツヤ拝
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よこはま

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講演や他の仕事のために、知床から横浜へ戻ってきた。
夕方、空を見ると少しずつ焼けてきた。慌ててザックの中のカメラを取り出しベランダへ。自宅からは、ちょこっとだけれど富士山が見えるのだ。赤みはやがて全天へ。
「お帰りなさい」。どこかから、そんな声が聴こえたような気がした。
             ノムラテツヤ拝
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