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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

斜光器土器

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ここ2か月、東京で行きたかった場所があった。
トーハクこと、東京国立博物館だ。
見たかったのは、土偶とハニワ。重要文化財から国宝まで、一通り自分の目で見ておきたかった。まず最初に飛び込んできたのは、盛装女子と呼ばれるハニワ像。6世紀ころの作品だが、この時代には珍しい2ピースを着て、どこか寂しそうな顔がたまらない。
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次がお目当ての土偶。よく教科書などで見た「斜光器土偶」、青森の亀ケ岡遺跡から発掘されたもの。スノーゴーグル(斜光器)
を付けているようなのでこう呼ばれるが、視線を上げ下げすると、表情が変わる。見上げればニッコリ笑っているように、見下ろせば怒っているように見える。彫刻は函館で見たカックウの方が精緻だが、なんともユーモラスな表情に体全体が暖かくなった。
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ハニワと土偶の違い、それは埋葬されるか、破壊されるかの違い。お墓の中に死者と共に埋葬されるのがハニワ、何かの儀礼時に身代わりとなり破壊されるのが土偶なのだ。だからこそ、土偶に興味がそそられる。破壊されるからこそ、身代わりになるからこそ、縄文の人たちはそこに輪廻再生を見て、一つ一つを丁寧に彫刻したのだ。切なる想いが刻まれた土偶から、僕らは何を感じるのだろう。縄文からの手紙(証)が、今日もまた僕の心にひとつ届けられた。
             ノムラテツヤ拝
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

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