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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

ラスト丹頂

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ラスト丹頂。愛の舞いも美しいが、丹頂の飛ぶ姿の優美な事と言ったら無い。
ブンブンブンと低音響かせ飛んでいく白鳥とは違い、ほぼ無音で大空を駆け抜ける。羽ばたく音さえ聞こえないのは、まさに芸術の域だ。
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奇跡的な雄雌の交尾の瞬間も見ることが出来、感謝の気持ちでいっぱいだ。
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「さぁ、行くよ」。一羽が大地を数歩駆け、ふわりと体を宙へ浮かせる。
青空の下、丹頂の命は、まばゆい太陽のように光り輝いた。
           ノムラテツヤ拝
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学長の笑い話

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昨日から阪根学長にお願いしていた。
「入院生活が暇だから、なんか面白い話をして!」と。
今朝、電話で話すと、帰国してから感じた老いの現象を切なく、哀愁を交えて語ってくれた。
まぁまぁ笑ったけれど、こんなもんじゃ終われない。
「てっちゃんとこのオーイ・ジジイ、なかなか良い味出してるじゃないの」。
しばらくオーイ・ジジイの最新話で盛り上がった後、ふと思い出したように語り始めた。
阪根学長が世界一周のピースボートにゲストスピーカーで呼ばれた時のこと。講義が終わるたびに、学長のところへ足繁く通うおじさんがいた。話を聞けば、池袋に巨大なビルをいくつも所有する大地主。ここぞとばかりに攻め込み、学長はこの金持ちおじさんと急速に仲良くなる。毎夜4Fのバーに招待され、ボトルキープしているウィスキーをしこたま飲み、四方山話に花を咲かせていた。そんな時、おじさんがポツリと呟いた。
「俺、次のピースボートにも乗ることになってる」
「良いじゃないですか、世界2周目。羨ましい」
「その次も、多分乗るんだ・・・」
「えっ、どういうことですか?」
「俺、家族から疎まれていて、帰ってこなくて良いって。だからずっとピースボートに乗り続けるんだ・・・」
なっ、凄いおじさんもいるもんだろ。まさにピースおじさん。心はまったく平和じゃないけれどな。
学長、これは笑える話でなく、シュールな話です。僕が欲しいのは、笑える話。
「お前は厳しいなぁ、最近だと、この前話したのしか笑えるのは無いよ」
「アレですね」
「そうアレ、面白かっただろ?」
はい、アレは特大ホームランでした。
それを思い返す余波だけで、自然と笑いがこみ上げてきたので、今日はこれで良いか。明日を楽しみにしよっ。
「てっちゃんが暇しないように、神様がオーイ・ジジイを送り込んでくれたんだから、大切にしてやれよっ」
「はいっ、今日も偵察を続けます」
                   ノムラテツヤ拝
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オーイ・ジジイ3

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「オーイ、誰かいないのかあ」
オーイ・ジジイの個室は、まさにナースステーションの真ん前。「オーイ」の五連発も、今日は土曜日。看護師の動きは鈍かった。
「お願いしまーす」。切ない響きだけがフロアに残響する。でも、じじいは決してへこたれない。オーイ、オーイ、オーイと順に声のトーンを上げ、最後の方は腹の底から発声するので、音波に迫力が出てくる。
さすがに看護師の1人が駆け付ける。「どうしました、もう少しで点滴ですからね」。
「もう待てないよ、すぐやってよ。これはもう外していいの?」。
「だめだめ、それがこれからやる点滴ですから」。
「朝ごはん食べました?」看護師からの声掛けに、まさかの「食べないよ、朝なんて・・・」。どうした、どうした、今日はご機嫌斜めですか? 看護師が詰所へ戻ると、すぐに反撃開始。
「オーイ オーイ オーイ オーイ、オーイ」。静まり返ったナースステーションに、勢いよく速射砲がぶっ放される。
「どうしました?」
「うん、起きたら一人だったから、昼食はまだ?」
「まだ1時間半後です。いい加減に、時計買って下さいよ」
「いかないでよ、一緒にいてよ」
「私たちもお仕事をしなくちゃいけなくて・・・」
「一緒にいるのも、おまえたちの仕事だろ」
「そうですけれど・・・、1人の患者さんに付きっきりというわけには」
「一緒にいてよ、寂しいんだから」
なんだかそのやり取りを聞いて、ジーンと胸に迫るものがあった。そうだよね、寂しいんだから、誰かに一緒にいて欲しいし、出来たら手もギュッと握って欲しいよね。
「あのね、あのね、でも、本当は鈴木なっちゃんが良いな、今、いるんでしょ、なっちゃん呼んでよ!」
さっきの感動は何だったんだ。寄り添う看護師ではなく、ジジイお気に入りの看護師、鈴木なっちゃんへのご指名が。
「うちは、そういうサービスはしていません」
うむ、ナイスな切り返しでした。今日の格言、「ナースステーションは、高級クラブじゃありません」。
             ノムラテツヤ拝
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