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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

ニライカナイ

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ニライカナイ。それは琉球に伝わる理想郷だ。
夕日が箱根の山並みに消え、あわいの時間になると、真鶴半島は別の顔を見せた。
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神を迎え入れる三ツ石が天然の鳥居となり、海から陸への神道を作る。真鶴半島から見ると、それはまっすぐニライカナイへ続いているようだ。
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ここも、日本に数ある次元の扉のひとつ、ようやくこの地へ立てたことに僕は手を合わせた。
          ノムラテツヤ拝
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皆既月食

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世界は昔から太陽と共に生きてきた。
人間が創り上げた文明は、太陽や月の光を利用し、暦や生活が営まれた。
皆既日食や皆既月食は、死と誕生の儀式。凶事を死の世界へ追いやり、新たな世界が誕生するのだ。
明日の夜20時11分~26分(皆既月食)まで、本州から北海道にかけては晴れ渡る。皆で、全世界のコロナ終息を願い、新たな世界誕生へ想いを馳せてみませんか?
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シェアや拡散、大歓迎。出来るだけ周りの人たちに声をかけ、皆でこの一大天体ショーを見上げましょう。想いは必ず天へ届きますから。
            ノムラテツヤ拝
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絶景世界53

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シーギリアロックは、古代から仏教僧たちの修験場だった。
5世紀の後半、ほんの11年の間だけこの地を統治し、壮大な岩山に傑作を残した狂気の王・カーシャパの伝説は、今もスリランカ中に語り継がれている。
カーシャパは459年から477年にアヌラーダプラを統治し、広大な貯水池を構造したダートィセーナ王の長男として生まれ、腹違いの弟モッガラーナがいた。弟の母親は王族の血筋を引き、それに対し、カーシャパは平民の血筋だった。この問題によって、カーシャパは王位を弟に奪われるのを恐れ、実の父ダートゥセーナ王を監禁し、王位を剥奪。弟のモッガラーナは、兄の行為に憎しみを抱きながらも、インドへ亡命した。
その後カーシャパは父に「隠している財産を全て出せ」と要求するが、父もそれには応えず、貯水池へ連れて行き「これが私の財産の全てだ」と言い放った。カーシャパは逆上し、家臣に命じて父親を殺してしまう。弟モッガーラの復讐を恐れたためか、父を殺めてしまった懺悔のためか、カーシャパは神がかり的に、シーギリアの巨大岩の上に、宮殿を建設し始めた。7年後、彼は玉座を、その頂きに置いた。
11年後、弟のモッガーラがインドから軍を引き連れ、兄に戦いを挑みに来た。因縁の戦いが佳境に入ったちょうどその時、カーシャパの乗っていた象は、突如現れた沼地に足を取られ沈んでしまう。カーシャパ軍は、それによって撤退してしまい、一人残されたカーシャパは、自身で喉をかき切った。
狂気の王が作り上げた巨大岩、シーギリアの都市を、以前から見たかった。
シーギリアの村から岩山へと続く道脇には、蟻塚や、蓮の水路などがある。鳥の鳴き声は森の奥から響き、ここがジャングルのまっただ中だと実感する。
2400段の階段が、一枚岩・シーギリアロックの頂上まで続き、見上げると、岩をくり抜いた岩窟寺院が多く見られた。カーシャパ王は、シーギリアの頂きだけに宮殿を作らせたわけではなく、巨大な岩山をぐるりと囲むようにして、寺院や要塞などを作っていたのだ。寺院の中は、岩が大きく反り返っている。昔はここに壁画が描かれていたらしいが、今は時とともに、消えてしまっていた。
太陽光が差し込み、影絵が出来る。シーギリアロックにどんどん近づいてゆく。鏡の回廊と呼ばれるミラーウォールが見えてきた。高さ3m、真珠のような輝きを持ち、鏡のような光沢があるため、この名がつけられた。この壁はレンガを芯に漆喰が塗られ、その上に多量の卵の白身と蜂蜜と石灰を混ぜたものが上塗りされ、表面を丹念に磨いたもの。
入口から20分ほどで、岩の中腹に金網で囲われた螺旋階段が見えてくる。1938年にイギリスが作ったもので、それ以前は竹で出来た梯子だけだった。階段を登りきると、オーバーハングした壁面に、鮮やかな色彩で描かれた美女達の姿。5世紀の作品とはとても思えないほど、美しい風合いを保っていた。
壁画は三層からなる。まず岩肌をもみ殻やカーボナイトを混ぜたターマイト土で塗り固める。次に石灰と砂を混ぜた粘土で中塗りし、最後に前の層より厚めに蜂蜜の混じった石灰で滑らかにする。その上に、野菜や花、葉、木の汁などを材料にした赤、黄、緑の顔料で、美女たちは描かれていた。
シーギリアレディと呼ばれる壁画は、色彩そのものが発光しているように見える。写真を撮ろうとすると、中の警備員が光を当ててくれてくれる。話しかけると、奥のシーギリアレディも特別に見せてやろうと手招きした。
そこには、シーギリアの秘宝・モナリザがいた。どこから見ても、自分を見ているような瞳。そして顔の向きも、どこから見ても、自分に向けられているように、岩壁の窪みに描かれているのだ。
「日本人、中国人、スリランカ人、インド人、アフリカ人、韓国人。ここに描かれている女性だけで、これだけ多種にわたる」と警備員。それにしても、このレディたちの腰のくびれ具合はどうだろう、ふくよかなおっぱいの美しさはどうだろう?
どの壁画も繊細かつ緻密だった。女性特有の柔らかさが醸し出され、太陽光が差し込みことで、更に美しさが増した。
カーシャパ王は、殺害してしまった父の霊を鎮めるために、この美女たちの壁画を描かせたと言われているが、彼女らが誰であるかについては2つの説がある。
一つ目は、天国に棲む妖精、アップサラで、妖精たちに守られ、王は岩山の頂に棲んでいた。二つ目は、裸の女性が上流階級で、服を着ているのが侍女。美女たちは、かつては、この岩山の壁に500人ほど描かれていたが、現在残っているのは、わずか18人。その殆どは、風雨にさらされ侵食されてしまった。
シーギリアの内部へ入ると、ライオンの爪の形をした入口が見えてきた。シーギリアは「シンハ」と「ギリア」の造語。シンハはライオン、ギリアは喉。シーギリアはライオンの喉という意味だった。
頂きは360度のパノラマ風景が広がった。どこを見てもジャングル地帯。孤高の王、カーシャパは、ここから眼下を眺めていたのか・・・・・
宮殿の中央で、風の通り道に座った。
 過ちの後悔、懺悔だけで、ここまで立派なものを作れるだろうか? あのレディたちが、その答えを雄弁に語っていた。
“孤高の王は、自分で決めて、幸せをここで掴んだのだ”
ジャングルから一箇所だけ突き出た岩山、ここは年中爽やかな風が吹き抜けるのだろう。王は、風を感じながら、一体何を聞いたのだろう?
僕は、目を瞑り、その在りかを探した。
陽が斜めになってくると、自然そのものがこの地を包み込んでくるような錯覚に陥る。王は、心の安心感を求めるために、この地を選んだ。そしてある時、気づいたのだ。ここが、自分の魂そのものを、安らかにしてくれていることを。
整然と作られた宮殿や、貯水池、王のプールもある。岩をくりぬいて作った玉座。
この前で、シーギリアレディたちが踊り、それらを眺めていた・・・・・。
ジャングルの森に、深紅の夕日が静かに滑り落ちていく。
             ノムラテツヤ拝
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