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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

地球を観る

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皆既月食が無事に終わりました。
皆さま、この世界の平穏を、自由に行き来できる世界を祈って頂けましたか?
日本南部に住む方々は雨や雲に阻まれ、目では見えなくても、心の眼で満月の生死を感じられたことでしょう。北部に住む方々は、この見事な天体ショーを見上げ、声をあげられたことでしょう。
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月の大きさは地球の1/4しかありません。だからすっぽりと地球の影に覆われるのですが、皆既月食の時、僕らは月を見ているのではなく、僕らの住む地球の影を見ている。大気圏の外に出なくても、僕らは地球にいながら、この美しき惑星「地球」を見ているのです。
          ノムラテツヤ拝
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追い続けた風景

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3年前から狙い続けている光景があった。
暦を綿密に計算し、一年のうち2日だけしか現れない天の川のアーチ。180度以上にわたるその巨大な橋をどうやって撮るのか?最初は苦心させられたが、一つのテクニックを使うことで撮れる目途がついた。でも、机上の理論と現実は違う。眼には見えないウユニ村の小さな光や天候、気温、風の加減などに苦しめられることになる。
僕たち写真家は絵描きのようなもの。カメラという純白のキャンバスに、レンズという最善の筆で内面のイメージを表現していく。そしてプロとは、自然が完璧に微笑む瞬間に、その場に立ち続ける人のことを言う。
「そんな写真、あそこに行けば、誰でも撮れるよ」
そんな風に言うカメラマンは論外。口ではなく写真で勝負をするのが、僕たちの使命なのだから。
僕が狙い続けたイメージは、「“初日の出”に“天の川”が橋を架ける奇跡の一瞬」。
2年前に撮影したものは、写真としては悪くないが、危うさが目立った。去年は流れ星が天頂に流れたことで、天の川自体は満足いくものとなった。
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でも日の出が醸し出す色合いと天の川の融合が、どうしても納得できなかった。理由は気温(色温度)。この問題を踏まえて、今年は一人だけで夜中の塩湖に立ち、温度の管理をした。一枚、また一枚。自分も風景の一部として入る。そして30分後。ようやく僕が3年前にイメージした光景が液晶に浮かび上がった。黄金の朝日の上に、巨大な天の川が奇跡の橋を架けた。
         ノムラテツヤ拝
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湯河原の味

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衝撃の味だった。湯河原の豆腐屋さんで買った豆乳、これが濃さも大豆の香りも、今までの人生でナンバーワンだった。
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ここまで豆乳って美味しくなるんだ・・・と身震いした。
奥湯河原の宿近くの魚屋さんで、刺身を作ってもらう。赤貝、アジ、ホタテ、そして赤イカ、鮮度も味も抜群だった。
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1/3荷重になっても、僕の日課は変わらない。良質の湯で体をゆっくりとほぐします。
          ノムラテツヤ拝
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絶景世界54

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「何カ国語、話せますか?」
講演会で、そんな質問をよく受ける。
「英語、スペイン語、ネパール語、ちょっとイタリア語とポルトガル語、そしてウシ語とライチョウ語ですかね」と言うと大抵、キョトンとされる。
でも、これ本当なの。若い時分、僕はアラスカで長期間撮影していた。とにかく動物の近くにいたくて、ライチョウにもかなり張り付いてシャッターを押していた。ある時、オスのライチョウが啼くと、雌がピクンとオスを向く。もう一度啼くとまたピクンと振り返る。もしやと思って、僕も真似をしてみた。イメージは漬物やのオヤジのようなしゃがれた声で。次の瞬間、メスは僕の近くまでそろりそろりとやってきた。どんな動物でも愛を告げる言葉がある。それこそがライチョウの「アイラブユー」だった。
日本の北穂高岳の登っている時、遠くで天然記念物の雷鳥を見つけた。静かに近づき、啼いてみると、なんと雌の雷鳥がヒョコヒョコと僕の方へ近づいてくるではないか。僕は心から感動した。アラスカのライチョウも、日本の雷鳥も、アイラブユーは同じ響き。つまり国が違えど、ライチョウたちの言語は同じ可能性が高いのだ。
もう一度、啼くと、もう僕の足元までやって来る。ゆっくり雷鳥は顔を持ち上げると、そこには僕の姿が。明らかに瞳を大きくして、バタバタと飛び去っていった。ごめんね、オスのイケメン・ライチョウじゃなくて。
ノムラテツヤ拝
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