富士通2021-07-04 Sun 21:15
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石垣へ2021-07-04 Sun 11:58
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絶景世界932021-07-04 Sun 10:08
![]() この世に生まれた時から、溢れんばかりの愛情を注ぎ、僕の夢をたくさん叶えてくれた父と母。だから二人にもし夢があれば、僕が全部叶えてあげたい。 「お母さんの夢なの、見に行くのが」 コロナ禍で、自粛ムードがまだ残る中、僕は聞いた。 「来年もまだ夢は逃げないけれど、本当に石垣島へ行く?」 「てっちゃん、私たちももうすぐ80歳、だから来年のことなんて考えないようにしたの。来年は無い。だから私は行きたいな」 腹をくくった瞬間だった。何があっても、母の夢を今年石垣島で叶える。目的の森は、今年も優雅に僕らを待っていてくれた。 「わぁ、こんなに大きな樹なんだ。まるで葉っぱは琵琶みたいね」 父と母は話しながら、夢の花へ近寄った。 サガリバナ。沖縄を北限にする南国花で、夜に開花、朝にすべて散ってしまう儚い命。 「なんだか甘い匂いがするのね!」 「お母さん、見てみて!」 そう、僕はこうやって育ててもらった。事前に予備知識は一切入れず、まっさらな状態で見る、やる、感じる。そこで感動したら、後から湧き上がるように調べれば良いのだ。 上から下へ、薄ピンクの花が手を広げていく。辺りは「くちなし」と「バニラ」を足したような甘い香りが漂い、受粉を手助けする蜂を呼び寄せる。 目の前にある植物たちは、例外なく今に適応させ、生き抜いてきた猛者ばかり。種の起源を説いたダーウィンの言葉を借りれば、「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である」と。それはコロナ禍の僕たちに、最も必要な教訓なのかもしれない。 「母、夢は叶った?」 「うん、満足したわ。やっぱり夢って、口に出して言わないとダメね。お父さん、私の次の夢はね・・・」 夜の雅な花見は、笑い声と共に過ぎていった。 ノムラテツヤ拝 ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
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