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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

水面に咲く

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早朝、サガリバナは役目を終えたように、ポタッ、ポタッと水面へ落ちていく。
手裏剣型のガクが重いため、そこが水に当たり音を出すのだ。静寂な中を、一つ一つが落ちゆく音に耳を澄ませる無上の幸せ。
花に顔を近づけると、受粉を助ける蜂たちがせっせと蜜を吸っていた。蜂が花の中に潜った瞬間、サガリバナはその重さに耐えきれずに落ちていく。
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つまり、サガリバナの目的は蜂ではなく、夜に訪れる蛾や蟻たちに受粉を手伝ってもらっているわけだ。
目の前で起こることは、すべて植物たちからの智慧。そこに自然界の循環があり、多様性があり、美が隠されている。
            ノムラテツヤ拝
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絶景世界シリーズ

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三カ月前から始めた、『絶景世界』シリーズ。世界150カ国旅した中で、僕が惚れた絶景を、一枚の写真と文章で大切に編んできた。
フェイスブックでは、短めのキャプションだけを記し、ブログ(地球の息吹)に飛んでもらうと全文が読める形式。
地球の息吹  http://fieldvill.blog115.fc2.com/
もうすぐ最終回の100回目を迎えるので、今日はこの先のことを決めたいと思う。もし絶景世界を101~200回まで続行を希望される方は、ぜひ以下のブログへ飛び、記事の下にあるライオンボタンを押して下さい。
http://fieldvill.blog115.fc2.com/blog-entry-5386.html
これはブログランキングの集計ボタンで、押しても皆さまに迷惑がかかることは一切ありません。
ボタンの上を押すとライオンが叫び、投票数が多ければ、ブログランキングの上位になります。すると僕をまったく知らなかった方々まで、上位にいるということで見てくれ、新たな出会いとなる可能性が出てきます。
僕は出来るだけ多くの人に、この地球の美しさを「有料」ではなく「無料」で感じて欲しい。だって、地球は僕らに絶え間なく空気や水や土を、生きるためのすべてを無料提供してくれているのですから。
いずれは地球の美しき貌が見られるプラットフォームになれたら、僕としてはこんなに嬉しいことはありません。
そのブログランキングの投票数がいつもよりも多ければ、喜んで「絶景世界シリーズ」を続行させて頂きます!
          ノムラテツヤ拝
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絶景世界97

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今、北極にいます。
北緯78度、世界最北の町ロングイヤービーエンから乗船して、はや10日。極北の大自然に抱かれ、輝ける命を見つめた日々でした。
初めて見る世界から、色々なことを学ばせてもらいました。知っているようで、何も知らない世界。やはり自分の目で見てみないことには、本当のことは分からない。そして、心の中心が動かないものなのですね。
世界中から集まった魅力的なエクスペディションチームの面々、そして乗船している仲間たちと、刺激的なときを送っています。氷原の王「シロクマ」は世界で一番、高貴な生き物でした。
夕方、再びシロクマが現れた。甲板に出て、進行方向左側で狙うことに。まだ距離は3キロほどあるが、遠くからまっすぐ鼻を持ち上げながら、こちらへ向かってくる。ものの20分もしない内に、船の真下へ。
僕との距離はもう15mを切っていた。
「お前の夢は俺なのか?」。そんな声が胸に響いたような気がした。
この氷原の中で凛として生きているからこその美しさが全身から放たれる。10mまで迫った時、僕はカメラから顔を離して肉眼で観察した。つぶらで深い茶色の瞳が、こちらを真っすぐ見た。それは、どこかクジラやゾウと似通う、王者の瞳だった。
シロクマの雄は、大きい個体では600キロを超えるが、脚力は時速6キロに及び、9日間で687キロ進んだ記録もある。16万年前にグリズリー(ヒグマ)から進化し、頭を小さく、毛を長く白く、首を伸ばした。右前、左後、左前、右後の順に足をつき、頭をまるで舵のように振りながら、のっそのっそと歩くが、足音は殆ど聴こえない。この大きな肉球が衝撃を吸収しているのだ。
氷から氷へジャンプ。ファサっと雪が舞い、今度は氷山をわざわざ登ってくれる。見よ、この長い脚を。どれだけテレビで見ようとも、本を読もうとも、この目の前で繰り広げられる体験には敵わない。それを知っているからこそ、人はまた旅に出るのかもしれない。
ノムラテツヤ拝
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