中秋の名月2021-09-21 Tue 19:38
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さそり座新月講演会2021-09-21 Tue 11:07
![]() 今日は中秋の名月。さぁ、情報解禁になった「秋の宴」の告知をさせてもらおうかな。 2021年4月、まだ骨折中の僕は友人のひでこさんからの誘いを受けて、鹿児島県指宿市の断捨離の城「リヒト」で講演をさせてもらった。 愛するひでこさんが主催する会、決して失敗は許されない。だからこそ自分なりのテーマを決めた。「死力を尽くして笑いをとる」。 当日は600人以上の方に、笑いを少しでも届けられたかしら? 有難いことにその時の評判が良かったようで、第二弾「さそり座新月講演会」が11月5日に開かれる。 この前はペルーのお国事情で帰国できなかった阪根ひろちゃんも、今回は満を持しての登壇だ。断捨離組の皆様から頂いているテーマは影、シャドウ。その言葉を聞いて、僕は一つの話が浮かんだ。それはエクアドルの長寿の村で会ったベルばあちゃんの話だった。 ![]() 『ソンブラ』 エクアドルとペルーの国境沿いに、小さな村がある。 深い山々に囲まれた緑多き場所。そこで出逢ったベル婆ちゃんの話を、僕は忘れることが出来ない。 「長生きの秘訣は何ですか?」この質問の答えだった。 その日は、夕方大きな虹が村から山々へと流れていた。まるで7色の弓矢が空に放たれたかのように。2人でそんな光景を見つめていた。 突然、ベル婆ちゃんは口を開いた。 「一番大切なもの、それは Luck だよ」 と。Luck・・・ 運を大切に。 「どうやって、運を保つのですか?」 「それは、ソンブラに依存しているのよ」 ソンブラ・・・英語では「shadow」、日本語では「影」。 「ソンブラは、自分の闇の部分。太陽からいただく光によって、自分が映し出される。つまり分身なんだよ。私たちは見えない闇によって生かされているのだから。影を踏んだり、踏まれたりすると自分の運が下がってゆくんだよ。少しづつね」 太陽を神とするインカ文明の考えがこんな山奥にも広がっているのか?というより、ここもインカ帝国の一部分だったことを強く感じた。やってはならないタブーがあり、その約束を守ることは、自分の運を持ち続けること。そして僕たちが毎日を生きるように、運もまた日々変化するものだという。その根源をたどれば、自分を取り囲む人や物への関わり方なのだろうか? ビルカバンバ、この緩やかな風に包まれた人たちは、この気候に対し、毎日の感謝を忘れないという。それは生きている今を感じ、生物としてのある緊張感を生んでゆく。僕たちはいつの間にか、物質主義の見える世界だけを信じ、精神主義の見えない世界を忘れてしまった。その力もまた人それぞれを取り囲んでいるというのに。 ベル婆ちゃんは付け足す。 「私たちが持っている生命の時間というのは、深い闇に覆われていると思うの。この世に永遠に存在するものなんて、何も無いわよね。全てのものがいつか消え去ってゆく。そんな一瞬を生きる、「人の一生」でさえ、矛盾に溢れているんだから」 ここまで話して、彼女は目の前の花を優しく摘んだ。 「見てごらん、今、私がとったこの花、何故この花が取られ、隣の花が残ったのか?人生はそんな理不尽さ、からくりに満ちているのよ」 ふふふっ、と笑うその横顔は、夕日を浴びてピンクに染まっている。空を見上げると、一番星が天空に瞬き始めていた。 ![]() 見える部分も大切ですが、見えない部分を整えることで、善き運を育んでいく。それって、断捨離の奥義なのでは? 今回のテーマは、「さそり座新月」のように目には見えないけれど、確かにそこに在る。目に見えないけれど、大切な祈り、愛、想いなども含め、ひでこさん、ひろちゃんと存分に語り合いたいと思います。 そんな新月の宴を、是非ご一緒しませんか? リアル講演会の定員は20名なのであっという間に埋まるでしょうが、この前と同じくオンラインのズーム配信もしますので、そちらもどうぞ宜しくお願い致します。 さそり座新月会 リアル講演会HP https://resast.jp/events/602254 ズーム講演会HP https://resast.jp/events/608335 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
絶景世界1722021-09-21 Tue 08:12
![]() パロの町から登り始めて2時間で3776mのチェレラ峠へ到着。 深い霧に包まれ、枯れた木々が幻想的に立ち上がる。 湿気を含んだ空気が、身体に優しい。 さすがに寒いので、上にジャケットを羽織った。 ダルシンが108本並ぶ峠付近を、東方向へ歩いていく。 もうここは、富士山山頂と同じ高さ。 いつものように呼吸するだけで、空気の薄さが分かった。 山名さんが、振り返る。 「あるわ。やぱ今年は例年よりも早いわ」 「えっ、どこどこ?」 山名さんの指の先には、蒼い花が一本伸びていた。 生まれて初めて見る「ブルーポピー」。 10年前に中国の雲南省・四姑娘山で探したことがある。標高5000m付近の生息場所までは突き止めたが、時期が早く涙をのんだ。あれから、憧れてはいたものの、なかなか再会する機会に恵まれなかった。 ブルーポピーは、ちょうど百年前に英国の探検家がヒマラヤの奥地で見つけた花。 その深い蒼さに、「世界で最も美しい花」としてもてはやされた。 属名はメコノプシス。ギリシャ語の「メーコン(けし)」と「オプシス(似る)」に由来する。 「野村さん、こっち、すごいわ」 初めての蒼いケシに夢中になって撮影していると、霧の中、山名さんの声が飛んだ。 慌てて向かうと、そこには、夢のような光景が広がっていた。 「ブルーポピーの花園」 通常、蒼いケシは独立して咲くことが多い。それは近くに仲間がいると、それに負けてしまい芽が出せないと考えられている。だからこそ、崖やガレ場などに孤高のように咲く姿がよく写真などでおさめられているのだ。 でも、なぜかここには見渡すだけで、20本近くが群落を作り上げていた。 「学問として知っていることと、自然界の多様性」。 これもやはり、自分で見て、体験してみないと分からないことなのだろう。 この種族メコノプシス・シンプリキフォリアは、色合いも様々。深い青色から、ピンク、そして限りなく透明に近いブルーもある。 雨に濡れた葉っぱは、ムラーノ島のベネチアンガラス、身近なものでは少量の水に濡らしたティッシュペーパーのよう。 この旅の中で、最もテンションが上がった瞬間だった。 こんなに簡単に幻の花と出逢えてしまうブータンの奥深さと原始性に、僕は心底打たれ、言葉がうまく紡げなかった。 「この蒼色を一度見たものは、生涯に渡ってこの花に憑りつかれる」と誰かに聞いたことがある。 まさにその言葉通りの美しさを内包していた。 まるで、光がこの花を照らしているのではなく、花の奥から蒼い色を発しているよう。 僕はそこに座り込み、ただひたすらその小さな蒼き妖精を見つめた。 ノムラテツヤ拝 ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
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