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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

八戸へ

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仙台からは雪が増え、居久根(いぐね)守られた家々が目立ってくる。
新幹線に巻き上げられた雪塵が、窓をパツパツと叩く。ぽこぽことした山やまあるい森たち。そのすべてが宮沢賢治が描いた世界。目を瞑れば、賢治の墓参りの時の記憶が蘇ってくる。
北上川を越えると、もうすぐ盛岡だ。ここに愛する人がいた。世界中を共に旅したこうちゃん、そして愉快な盛岡の仲間たち。今日は素通りするけれど、来週は盛岡に降り立ちますからね。
車窓に姫神山を見ながら、新幹線は左に巻くように入っていく。その方向にこそ、盛岡を守る岩手山が鎮座する。てっぺんは雲に隠れているが、女性が横たるようなその山容をありありと想像できる。
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盛岡駅ではやぶさとこまちの車両を切り離し、あと30分。八幡平の三山を越えると、目的地の八戸だ。いざ、野村哲也、八戸へインします。全集中で講演してきます。
ノムラテツヤ拝
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仙台へ

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紺碧の空の下、息は凍るように白い。横浜から江戸へ移動し、東北新幹線でいざ八戸へ。
新幹線や飛行機の時間は、いつも僕をドキドキさせる。仕事をしたり、本を読んでなんかいられない。
車窓の風景があまりに面白く、地球が創り上げたその造形美に見惚れてしまうのだ。上野を抜け、浦和に差し掛かると突然雪をかぶった富士山が姿を見せる。浦和~大宮間のなんと富士の凛々しいことか。
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富士山からバトンを渡されるように筑波山から日光の山々へ。男体山が今日もすっくと聳えていた。地形の旅は、そのまま友人・知人の旅となる。日光に住む友人たちは元気かな? 赤城の森にすむ夫婦は今日も笑っているかな?土地を通り過ぎながら、そこに住む友人たちの顔が走馬灯のように過ぎ去っていく。
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男体山のすぐ脇には女体山が。日本は、世界は、すべて陰陽、+-のバランスを成り立っている。那須の茶臼山が見えてくると、そろそろ白河の関だ。これより東北へ入場する。
僕の父は岐阜県人、母は宮城県人。つまり体の半分には東北の血が流れている。これが僕にとっては何よりの誇り。東北人は日本でもっとも雅な民族であり、心優しき人々だと思っているから。その仲間に半分だけ入れて下さいね。
それにしても、日本はなんて川の多い国なのだろう。日本中、まるで毛細血管のように川と川が手を繋ぎ、人々の生活を潤し、山の栄養分を豊饒な海へ運ぶ。この壮大なサイクル、そしてそこに生かされる人間。
「野村さん、人間が地球を守らないといけないですよね?」
実をいうと、僕はこの手の質問が苦手だ。自分が絶対的に正義という立場からの意見。だから反論しようとも、なかなか聞き入れてもらえない。僕の立ち位置は、その質問をしていること自体がおこがましい。僕たち人間は地球を守っているのではなく、地球に守られているのです。太陽光線ですら、オゾン層が有害な紫外線(UVーB)を吸収してくれるので、僕らは生きていけるのです。だから人間が地球を守るという考え自体がおこがましい。僕らがただ出来ることは、出来るだけ地球に迷惑をかけずに、日々粛々と感謝して生かさせてもらうことだけ。もし、その方々が言われるように、人間が地球を守らなかったらどうなるか? 簡単です。ある閾値を超えた時点で、地球は自身を変化させ人間が住めない世界にするでしょう。
白河のトンネルを抜けると、東北は雪だった。田んぼには雪が残り、寒冷前線が薄黒い雲となって空を覆い始めた。大好きな郡山を抜け、福島へ。一条の陽光が差し込むと、雲が割れて青空が顔を出す。安達太良山が白銀に輝き、吾妻小富士が天を突く。日本が南北に広がる国で良かった。北上するだけで、これだけ多様な風景が見られるのだから。雪はどんどん多くなり、屋根も雪帽子をかぶり始めた。左手に蔵王が見え始めると、僕の第二の故郷はもうすぐ。杜の都「仙台」だ。仙台の語源は千代(せんだい)。これからも千代に幸せでありますように。
       ノムラテツヤ拝
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新世界写真96

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父から送られてきた1枚の写真に興奮した。
「空が凄いことになっているよ」。
故郷・岐阜の空に、幻日、暈、環天頂アーク、更には上へ伸びる上部タンジェントアークまでが映っていた。
羨ましい。ここまでの豪華絢爛光学現象は、通常、極地しか見ることが出来ないが、すべての気象が重なり合い、神々が岐阜へ舞い降りた。
いいなぁ、父。
         ノムラテツヤ拝
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