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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

タンチョウ

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世界は知らないことだらけ。
今まで何度もタンチョウを撮影しているにも関わらず、僕は何も知りませんでした。
タンチョウを漢字で書くと丹頂、丹=赤、頂=頭、つまり頭の赤い鶴となります。カメラを構えてジッと見つめていると、一羽の丹頂が僕に方へ近づいてきてくれました。その時に僕は重大な勘違いをしていることに気づきました。
頭の赤いところは、毛だと思っていたのですが、細かいイボ状突起の皮膚でした。さらに目を凝らすと、皮下血管内の血液が透けて見えたのです。分かりやすく言えば、丹頂の頭はハゲており、血管の色で皮膚が赤くなっているということ。それこそが、丹頂が成鳥=大人になった証でした。
何も知らないということを知ること。そこから本当の学びがあるのかもしれませんね。
             ノムラテツヤ拝
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十字狐

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北海道では最近「十字狐」の話で持ち切りらしい。ソニーの社員でもある友人Sくんからそんな話を聞いたのは、2カ月前のこと。
ネットで調べてみると、アイヌの人々に神と崇められる黒毛の狐、警戒心がとても強いため、殆ど見ることはないという。
それは突然のことだった。完璧に晴れ渡った摩周湖にうっとり見惚れ、車を走らせていたときのこと。
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森の奥へ黒い犬のような影が歩いていく。望遠レンズで覗くと、それはシトゥンペ・カムイと呼ばれる十字狐、その意味は「人々に危機の到来を告げる神」だった。
           ノムラテツヤ拝
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新世界写真152

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大自然を撮影していると、数年に一度、涙が出るような風景に出くわすことがある。
この夜も、グランプラザ(中央広場)から1号神殿を撮影していると、なぜか心の奥がザワザワする。次の瞬間、「そこじゃない」と野太い声が、耳の奥へ響いた。
振り返る。そうだ、以前ここを訪れた時、背後の2号神殿へ登れたはず。ガイドのエリックに確認すると、「今も大丈夫だ」と言う。慌てて、エリックとひろちゃんと2号神殿へ登ると、そこには圧巻の絶景が広がっていた。
「おい、てっちゃん、やばいな。雲が出てきたよ」
「えっ、あれ、天の川ですよ」
「あんな濃いはずないだろ・・・、えっ、あれ天の川か?」
それはあまりに大きく、色濃い天の川のアーチだった。
2人で今までパタゴニア、ナミビア、ウユニ塩湖、アラスカなど美しき夜空を数多く見上げてきたが、そのどこにも負けないほどの星空だった。
「てつや、ひろし、俺は感動してるよ。12年ガイドをしてきたけれど、ここでこれほど多くの星を見たのは初めてだ。ほら、まだ震えてる」
三脚を立てて、僕は祈るように、ロングシャッターを押し込んだ。液晶に浮かび上がる画像を見て、ひろちゃんが一言。
「てっちゃん、この写真は高く売れるな、なんかおごって!」
ノムラテツヤ拝
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