あの場所へ2022-06-29 Wed 20:23
![]() 礼文に着いた途端、行くべき場所が分かった。レブンアツモリソウの花園だ。港から30分ほど車を飛ばし、あの浜辺へ。あの美しき花園は一気に枯れていた。 ![]() 生成りのアツモリソウは、茶色く変色し、シワシワになっている個体も、 ![]() 「そっか、これを僕に見せたかったんだ」 そう、花園の最も美しい瞬間、それは枯れる時、そして土中に種が埋没するときだ。 世界中の砂漠の花園で、何度も何度も花たちから教えてもらってきたことを、礼文島でも丁寧に日々教えてもらった。 美しいと醜い、これはきっと人間だけの価値観なのかもしれない。他の動植物たちは、すべて地球と時間も命もリンクしているため、そこに美醜は存在しない。あるのはただ、種を次の世代に繋げることが出来たのか?自分の命を全うしたのかに尽きるような氣がする。 「僕もそちら側の生き方を続けます」 一陣の風が吹き抜け、レブンアツモリソウの花園が全体で声をかけてくれた。僕はそのまま膝を付き、涙をこらえ、手を合わせた。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
礼文の声2022-06-29 Wed 14:20
![]() 野に咲くカンゾウの花を見ていたら、心にもやもやしたものが沸きあがってきた。 もしやと水平線に視線を移すと、紺碧の空に礼文島が浮かんでいた。 ![]() 「こっちへ来い」 天から言葉が雨のように降ってくる。僕はただ、その声に従い、車を利尻島の鷺泊港へ向けた。 お昼の便に飛び乗り、船中で礼文島のレンタカー屋さんに連絡。車を1台押さえてもらった。 どうして礼文島に呼ばれるのかな? きっとそこに立てば何かを感じるだろう。 ![]() それにしてもどうだろう、この利尻岳の美しさは。僕は海の向こうに聳える洋上富士を、ただ見つめていた。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
新世界写真2532022-06-29 Wed 09:34
![]() ぽたん、ぴしゃん、ちりん、天井から滴が落下し、水琴窟のような音を奏でる。漆黒の闇で、そんな音を聞きながら進んでいくと、突然遠くに光の世界が現れる。 中心に立つ、太い幹。僕と同じ樹齢44年のアボガドの樹だ。 火山が噴火し、溶岩流が海へ流れた道が、冷えると溶岩洞窟になる。海風に浸食された天井は、やがて剥落し、洞窟内に一条の光が差し込むと、そこに鳥が落としたのだろうか? 一粒の種子が陽光を目指して、少しずつ成長し、やがて天井を越えて、大空へ枝葉を広げていく。 そんな奇跡の樹の物語に耳を澄ませ、僕たち人間もまた同じだと気づかされる。闇から生まれ、光へ向かい、あらん限りの命を燃やして、朽ちていく。 ふと足元を見ると、アボガドから落ちた種子が、新たな芽を出している。昨日よりも今日、今日よりも明日、少しずつ命の幹を伸ばしていけ! ノムラテツヤ拝 ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
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