写真道2022-09-30 Fri 17:38
![]() 800mmのレンズを付けて、離れていくエゾシカを追った。 霧けぶる中、ジャッジャッと水を蹴って飛沫をあげる。それらが鏡のような川面を崩し、一本の道を創り上げていく。 あともう少しだけ前へ。奥の森がより幻想的に浮かびあがるような位置へ。雄のエゾシカはまるでその願いを叶えてくるように、その一点へ向かっていく。3歩、2歩、1歩、そして圧縮効果が絶妙に絡まる聖域へ入ってくれた。 ![]() 僕は祈るような気持ちでシャッターをきり、その一枚を静かにおさめた。師匠、有難うございます。日々、写真道を邁進します。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
新世界写真3472022-09-30 Fri 17:30
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まほうの写真2022-09-29 Thu 07:21
![]() 星野さんと出逢った頃、僕は緊張しながらも一つの質問をした。 「星野さんの写真で、教えて欲しいことがあるんですが」 「どんなこと?」 「一頭のカリブー(トナカイ)が歩いていて、その向こうに氷河のような雪がある写真。あれはどのように撮っているのでしょうか?」 「不思議だった?」 頭を上下に動かすと、まるでいたずらっ子のような目つきで、種明かしをしてくれた。 「あれは、広大な原野なんだよ。春先だったかな。まだ雪が残って、そこを一頭のカリブーが歩いていた。手前に川。少し考え、600㎜のレンズで狙ったんだ。すると、超望遠レンズの特性で、前後が圧縮された状態に。それであの一枚になったんだ」 信じられなかった。 「つまり、あれは高度差がない広大な平原だったということですか?」 「そういうことになるね。写真はレンズによって、絞りやシャッタースピードによって、肉眼では見えない風景が見られる。それもまた写真の醍醐味なんだろうね」と、柔らかな笑顔で答えてくれた。 あの時は分からなかったけれど、今であればその意味がよく分かる。レンズの特性を掴み、自分の体の視点として持つこと。そうすれば、瞬時に目の前の光景にベストなレンズが浮かび上がることを。それは何度も何度も体験し、経験を重ねることで見えてくる視野でもあった。 一頭の雄のエゾシカが、霧の河を歩いていく。星野さんが見せてくれているのかな? 僕はレンズを変えて、その瞬間を待った。 ノムラテツヤ拝 PS,写真は星野さんの撮影されたカリブーの写真。僕には魔法のように見えました。 ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
新世界写真3462022-09-29 Thu 07:17
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雄のエゾシカ2022-09-28 Wed 16:43
![]() 一頭のエゾシカが川を横断していた。 望遠レンズで覗くと立派な雄。車を降りると、威嚇するように遠くから僕を睨んだ。 ジッと見つめていると、張りつめた緊張感を嫌ったのか、川面を蹴って走り出す。 ![]() その向こうには霧がたゆたう。僕は鹿語で話しかけてみる。 ピタリと足が止まり、こちらを見る。その間も、霧が右から左へゆっくりと流れていく。 ![]() もしかして、これは・・・。 そう、僕は、写真の師「星野道夫」の、ある写真を、目の前の光景に重ねていた。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |