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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

スターウォーズの谷

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スターウォーズの映画撮影地に、トルコのある谷が候補となった。映画監督がトルコ政府へ打診すると、政府は最後まで「我々の聖なる地だ」と許可を出さなかった。その谷は、特に観光地化されることなく、ひっそりと現在まで大切に守られてきた。
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現地へ行くことで、地元の人たちと話すことで、思いがけない情報が入ってくる。大体の場所を聞いて出かけると、それはまさに異世界。確かにスターウォーズにはぴったりの場所だった。
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世界を旅する上で、観光地も好き。でも、現地の人々が今も大切に、ひっそりと守り続けている場所が、もっと好き。そこには、連綿と丁寧に祈り込みがなされ、あちこちに祈った形跡が見え隠れした。
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トルコの裏の貌が、うっすらと姿を現してきたぞ。細胞がひりひりする。さぁ、本番だ。
              ノムラテツヤ拝
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地下帝国

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まるでインディージョーンズの世界だった。
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昔、トルコには巨大な地下帝国があった。岩山の下を少しずつくり抜き、まるで蟻の巣のように。総人口4万人が暮らしたというから、驚いてしまう。地下帝国を作る上で、最も大切のは換気。各階を貫くように、中央に一本の穴を掘り、外気を取り入れ循環させる。
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迷路のような細道、
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巨大な丸石を動かして閉じる扉、
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地下で家畜も飼えるようになっていた。
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僕たちが知らないだけで、今もこんな世界が、地球のどこかでひっそりと営まれているのかもしれない。トルコ、なかなか奥深いですぞ!
               ノムラテツヤ拝
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新世界写真465

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僕の大好物は3つ。鰻、蟹、納豆だ。
特に蟹は目がなく、日本全国を旅するようになった10歳から、海外を旅するようになった18歳からずっとウマい蟹があると聞けば駆け付けては貪った。日本国内では間人ガニやヤシガニやヅガニ、海外ではカングレッホや沢ガニなどを愛してきたが、ある時、北海道に住む巨人と出会った。
「お前は蟹が好きなんだって?どれが一番好きだ?」
「そんなの決められません。みんな美味しいんですから」
「毛ガニはどうだ?」
「もちろん好きですよ」
「よし分かった。その眼を見て決めた」
翌年、巨人は僕の目の前で、見たこともない大きな毛ガニを取り出した。
「本当に美味しい毛ガニは1キロ以上のもの。そしてこれを食べたら、蟹界のトップが何かが分かる」
巨人自ら茹でてくれ、完璧な頃合いで頂くと、それはまるでデザートだった。蟹味噌はマロンのような香りが鼻に抜け、身は濃いのに極めて上品な味。僕の体は警報を出していたのだろう。出された日本酒は一口も口に付けず、僕はただ、ただ無言で食べ続けた。1.2キロの毛ガニをたいらげると、巨人は聞いた。
「で、世界中で一番ウマい蟹は?」
「ぐぬぬ、、、1キロ以上ある毛ガニです」
あの頃を境に、僕はウマい蟹を探す旅を止めた。だって、蟹の王様と出逢ってしまったら。でも、もちろん松葉も香箱もモズクも頂きますよ。そう、比べることを止めたのだ。あの毛ガニは、別物だったのだと言い聞かせて。
仕事が立て続けに入り、さらにトンガ義援金で身動きが取れなくなり、さらに八戸講演の用意、そしてこれからラジオの収録と死にそうになっているときに、玄関のチャイムが鳴った。
「佐川ですけれど」
荷物を受け取る時に、「クール便です」と言われた。
中を開けると、驚いたことにイカツイ毛ガニが僕を睨んでいた。げげげっ。それも1.3キロある毛ガニだという。
こんな時間の無い時に・・・、でも、でも、とやっぱり蟹の魅力に負けて氷水で解凍。300~500gなら3時間くらいで解凍できるが、1.3キロの毛ガニだと一体どれくらいかかるのだろう?
原稿を作り、メールの返信をしながら、ちょくちょくその溶け具合を見る。八戸講演の写真選定に頭を悩ませ、ラジオに出演しながら、また蟹の元へ駆けつけてしまう。そうして、夜の9時、8時間のときを経て、巨大毛ガニに朱色が戻った。
「むははは、むははは」。訳の分からぬ声が出てしまう。
ふんどしを取って、一気に甲羅を外す。
「でたーーーーーっ」
そうそう、巨大な毛ガニは、蟹味噌が異常に詰まっているのだ。一口舐めてみると、やっぱり記憶通りのマロンの香りが抜けていく。あっ、あっ、あっ。蟹味噌、腕、体、爪、またしても一気に、貪ってしまう。手のひらを見ると、ギャランドゥの毛や小さな角が刺さって、血が浮いている。それでも構わず食べる。目の色が変わるとはこういうこと。
「ふぅ~食べたぁ! 長生きはするもんだ」。
目の前には、一滴も飲まれていない日本酒が、僕をジッと見つめていた。
ノムラテツヤ拝
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