幻の日本酒2009-04-30 Thu 07:58
![]() 「久し振り、そしてお帰り」 JR高円寺駅のカフェに、貿易会社の社長Tさんは現われた。数分後Tさんの奥様Mさんの姿。 「てっちゃぁ~ん、久しぶり、元気だった?」 相変わらず明るくキャピキャピしている。 6時半過ぎ、成城石井の部長MA君が改札を出たところで手を振っていた。 これで全員集合。 高円寺の商店街を通り、今日の店は「串兵衛」。 ここは知る人ぞ知る日本酒の美味な串屋、Tさんの愛する店だった。 「今日は帰国祝いに、まだ未発売の日本酒を持って来たよ」 成城石井の部長MAくんが手に持っているのは、なんと来月から伊勢丹に並ぶという1万円の日本酒だった。 「味は?」 「まぁまぁ、飲んでみてよ」と自信満々の顔つきに、心が躍った。 串兵衛の店は地下にある。階段を下りてゆく両側には、びっしりと日本酒のラベルが貼られていた。14代はもちろん、飛露喜などの手に入りにくいものばかり。 ![]() 串屋で、まず頼んだのが、飛露喜の無ろ過と、能登の銘酒・宗玄。口に含むと、無ろ過らしい、どっしりした味が広がった。 ![]() 串を何本か頼み、それらを宛てに食べる。季節は違うが、銀杏の美味しいこと。春キャベツは甘く、鳥膝の軟骨なんてのも絶品だった。 そしてMAくんが持ってきてくれた1万円酒「nechi」を飲むことに。 「これは2005年だけのビンテージ酒でね。特上米を使ってるんだよ」 糸魚川のネチ男山が作った幻のお酒だ。 ![]() グラスに口を付け、口内に入れた瞬間、倒れそうになる。 最初は鮮烈な水、そして後から無ろ過っぽい味がじわぁ~っと津波のように押し寄せてくる。そして舌がピリピリし始めるのだ。 強烈の一撃だった。 「どう?」 「完璧だね」 「でしょぉ。ここの杜氏さんは、この味を求めて今も作り上げてるの。2005年だけしかこの味が出なかったんだ。つまり天が作ったお酒って言ってるよ」 蓋を開けてからも、ワインのように味が変わってゆく。 時間がたつにしたがってピリピリ感はなくなり、なんと最後はメロンのような味になってしまった。 「1万円っていう値段は勝負してるけれど、でもこの味ならね・・・・・」 MAくんの言葉に思わず頷いてしまった。 日本酒って、本当に美味しいと想う。 世界一手をかけた細やかなお酒、それが日本酒なのだから。 その後、Tさんの家に泊めてもらい、早瀬浦を飲ませてもらった。 2人で7合飲んだところで、お休みなさい。 翌朝、東京は綺麗な光に包まれていた。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタンをクリックお願い致します! ↓ ココをクリック! ![]() |
コメント
日本酒もワインも人が造るんだけと、やっぱり人の力だけでは完成しないんですね。ところで持ち帰ってきたワインは、無事でしたか?
2009-04-30 Thu 22:02 | URL | ホワイトライオン [ 編集 ]
一本割れましたけれど、残りは大丈夫でした。スーツケースがきっとワインを飲みたかったんでしょうね。贅沢だなぁ 野村哲也拝
2009-04-30 Thu 23:48 | URL | Tetsuya nomura [ 編集 ]
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