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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

我が家の家訓

「10歳で一人旅に出る」
これが我が家の家訓だった。
「てつや、自分で時刻表を調べて、一人で泊まって、見たいものを感じておいで」。 
10歳の誕生日を迎えたある日、突然父は一万五千円を僕にくれた。でも僕は一人旅を拒否した。
だって一人で行くなんて、とっても寂しかったから。
「でもてつや、これは家の決まりだから」。
この言葉で僕は、しぶしぶ家を出ることになった。
時刻表を片手に向かった先は、飛騨古川。何度も道に迷いながら、白壁の古い町並みをオロオロと歩く。横を流れる用水には鯉がユラユラ流れていた。オレンジ色の夕陽が大地に沈む頃、飛弾古川ユースホステルへ到着。
旅先の我が家・ユースホステルの挨拶はいつでも同じ。「ただいま」すると中から優しそうなおじさんがニッコリ笑う。「おかえり、よく来たね」。
窓の外に広がる、普段見慣れない夜景を見ていると、僕は自分のいる場所がまったく分からなかった。ただ鼓動だけが、日常よりも早く動いていたのは今でも覚えている。 
夕食の時間、僕は世界中を旅している27歳のお兄ちゃんと出逢うことになる。お兄ちゃんは10歳の僕にも分かるように、自分の体験談をおもしろおかしく語ってくれた。
「なんて世界って広いんだろう」
話を聴くうちに目の前の壁が、ぱぁ~っと開いていくような衝撃を受け、それをきっかけに、僕は少しづつ旅の虜になっていった。アメリカ、カナダ、アラスカ、ネパール、ケニア、南極、そして南米へと旅は続き、その中で出逢った沢山の友人と大自然の風景。
もしあの一人旅がなければ、僕はいま、このパタゴニアに足を踏み入れる事は無かっただろう。
そして10歳のときに感じた「旅」の自由さ、「出逢い」の面白さこそが、今も旅をする原動力になっている。
                                  ノムラテツヤ拝

朝焼け(c)
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