孤高の写真家2009-07-06 Mon 16:44
![]() 昔から憧れていた写真家がいた。 まるで修行の果てに撮らせてもらう写真、神様が写りこんでくるような匂い立つような写真だった。富士山だけを一貫して撮影するその姿勢に、僕は羨望の眼差しを抱いていた。 亡くなった方でも良いのなら、岡田紅陽さんの撮影した富士山の数々は、珠玉というしかない。 そしてもし生きている中で、最高の富士山写真家は?と言われれば、僕は真っ先に大山行男さんの名前を出すだろう。 今日は買い出しの日。まずは大好きな益美やさんでうどんを啜り、ベルというショッピングモールでカレーの具材を買う。そして野菜類はいつもの産直「鳴沢 道の駅」へ出かけた。少しずつ回復する空を見ながら、玄関先の桃の値段に目を細める。大きな山梨県産の桃が2つで150円で売られている。持ち上げると桃の香りが漂った。 いつもの場所で、マイタケとエリンギを買おうとすると、横の簡易本棚に、2010年度のカレンダーが並んでいた。バラ色の空に、雪をまとった迫力ある富士の写真。その下には、憧れの大山さんの名前が刻まれていた。 手に取ると、「これ来年用のカレンダーで、最新作なんですよ」と、隣にいた女性が話しかけてくる。 僕は、12ヶ月分の写真をうっとりと眺め、本棚に戻そうとすると、そこにチラシを持った男性が立っていた。見たことがある風貌、もしかしてと思い 「すみません、もしかして大山さんでしょうか?」と質問すると、 「はい、大山ですが」との答え。 あまりの唐突な出逢いに、僕は夢を見ているようだった。富士に移住して、一番逢いたかった人、それが大山さんだったから。そんな憧れの大山さんと、道の駅で出会うなんて。 「初めまして、大山さんの大ファンなんです」と年甲斐もなく、はしゃいでしまう。自己紹介を簡単に済ませると、今度は大山さんが「今度うちに遊びにいらっしゃい」と誘ってくれた。飛び上りたいほど嬉しかった。 大山さんの写真展が、今、東京ミッドタウン(富士フィルムスクエア)で開かれている。日本の心・富士山展。 2009年7月4日~29日。10時~19時入場無料。大山さんが手渡してくれたチラシは、富士山が真っ赤に焼けていた。 「本当に、一度遊びにきなさいね」 透明感ある瞳が、とても印象的だった。ぜひとも、近々、伺いたいと思っている。 名刺には、大きく「大山行男(Ohyama Yukio)」と書かれ、住所は上九一色村の富士ヶ峰だった。富士山と対峙してきた孤高の写真家と、自分の人生が少しだけ重なった。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタンをクリックお願い致します! ↓ ココをクリック! ![]() |
コメント
大きな山に行く男。まさに名前通りの方なんですね。本名なんでしょうか?
2009-07-06 Mon 19:16 | URL | toko [ 編集 ]
本当に素敵な名前ですよね。ペンネームではなく、本名です。名前通りに生きられておられるんですよね。 野村哲也拝
2009-07-06 Mon 20:09 | URL | Tetsuya nomura [ 編集 ]
本日やっと時間が出来たのでミッドタウン/富士フィルムのギャラリーで行われている写真展見に行ってきました。素晴らしい写真ばかりでよかったです。一枚一枚に富士山に対しどの方角から撮影したのかが図示されており鑑賞するうえで参考になりました。三つ峠からみた雲海に浮かぶ写真と大観山からの冬景色のポストカードを買いました。
さぞかし素晴らしい写真展なのでしょうね。僕も来週東京へ行くので、その時に行ってみようと思います。情報、有難うございます。 野村哲也拝
2009-07-12 Sun 20:53 | URL | Tetsuya nomura [ 編集 ]
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