写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

相場さん

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世界中どこでも行ける現代とは違い、国外に行くなんて誰も考えてなかった時代、ごく少数の旅人が日本から世界へ向かった。
栃木県の足利に住む相場さんも、そんな開拓者の一人だった。
半世紀ほど前、相場さんは世界一周の旅に出かける。日本から船でロシアへ渡り、シベリア鉄道でフィンランドのヘルシンキへ。そこで見た異国の住環境、特にログハウスに惚れて、日本にその建築方法を広めたパイオニアでもある。
北欧の物価の高さに驚き、ヒッチハイクで南下。一日1ドル以下で生活出来たスペインを愛し、アトラス山脈を越えてモロッコへ。これより南はサハラ砂漠というところで、またヘルシンキへと違うルートで戻っていった。
僕の知らない時代の、知らない風景。いつも年上の方々からそんな話を聞くと嫉妬する。今よりも不自由だからこその自由さがあり、責任を問われないからこその自己責任。一つのところを目指す活気に満ち溢れ、まだ世界地図に空白があった時代のこと。
「面白そうなところ、行きたいところは、出来るだけ早く行った方が楽しい!」
これは僕の持論でもあるけれど、南米一つとってもそう。20年前は不便でいらだつことも多かったが、いかにもラテンらしい荒削りな風景や人々が数多くいた。でも10年ほど前から、世界のどこにでもあるような都市を目指し、今はもうその面影はない。たった20年前でそうなんだから、それが50年前だったら・・・・・。
旅のトラブルや失敗談などを聞かせて貰ううちに、相場さんの目はランランと輝いてくる。内側から発光するような透明な光だ。そんな場にいさせてもらうと、僕は無上の幸福を感じる。でも、その時代の輝きを直に伝えてくれる人たちが少なくなってきている。出来るだけ、御縁を繋いでもらって、様々な方から話を聞かせてもらいたいなと思う。
その時代、飛び出ていった人たちには、不思議なおおらかさと心に秘めた芯のような熱さがある。そして例外なく皆優しくて温かい。
「ここだけじゃない場所」を肉体的、精神的に体感している人は、やはり僕にとって魅力的だ。相場さん、またワクワクするような話を聞かせて下さい。濃密な時間を、どうも有難うございました。
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