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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

満江さん

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チリに大好きな人がいる。

僕の思考を根本から変えてくれた女性。
首都のサンティアゴに一人、そしてパタゴニアのプエルトバラスにもう一人。
二人とも体の中心に一本の太い幹が通っている。
今夜はサンティアゴ在住の満江さんと一緒にディナー。
「チリで最も美味しい海鮮レストランのひとつよ」
店内は船内をイメージしているのか、クジラのランプや小さな丸窓があり、椅子の背もクジラの尾の形になっている。
出てきたものは最初から無敵。
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満江さんの長男ただおさんセレクトの白ワインソルデソルのシャルドネで乾杯し、ムール貝、牡蠣、エビ、蛸、セビーチェが怒涛のように出てくる。
セビーチェはペルーのそれよりもコリアンダーが効いて、僕好み。チリでこんなに美味しいところがあるんだ、と唸った。
そしてやって来ました、生ウニとウニのセビーチェ。
ぐらぐらと、めまいのするような味でした。
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サンティアゴの母である満江さんは、僕に自分で考えて創意工夫する思考を植え付けてくれた人。
パタゴニアに住んでいたとき、日本にあるものが殆ど無いことに気付かされる。麺つゆや納豆はもちろん、麺さえ殆ど手に入らない。そんな時、ささやかなあるもので、それらを工夫して作り出す。
納豆の作り方を伝授してくれたのも、料理上手な満江さん。
それ以降、僕は世界中で納豆を50回ほど作っているが、先生が良かったためか、一度も失敗はない。
麺つゆは自分で出汁をとって作れば良いし、そうめん代わりにパスタの一番細いカッペリーニ(チリではかべーヨデアンヘリカ(天使の髪))を使えば、それらしくなる。
「無いことを受け入れ、それらを楽しみ、創意工夫で周りを豊かにする」
それを背中で教えてくれ、実際に体験させてくれた。
テーブルを囲んで満江さんの話を聞いていると「僕はこんな人のお蔭で、今があるのだ」と涙が溢れ出てくる。
泣いているのを見られるのはちょっと恥ずかしいな。
僕は席を立って、トイレへ。店内の照明が滲み、目の前がオレンジ色に染まった。
                 ノムラテツヤ拝
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

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