写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

天上の頂

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マウナケアはハワイ島随一の聖地。
数年前にハワイアンたちがストライキを起こし、一般ツアーの登頂を禁止した。
標高4205mの聖山マウナケアの意味は「白い山」。語源は山頂に雪が降り積もるところから来ているが、別名は「ワケアの山」と言う。
天の神・ワケアはハワイの創世神話に登場する神で、大地の女神パパとすべての存在を生みだした。つまりハワイの根源でもあるマウナケア(ワケア)山頂は「神の領域」と信じられてきたのだ。
9年ぶりに、その頂に立たせてもらいたい。
でも、今回はハワイ隊の面々と一緒だから、ツアーのようなもの。
「野村くん、ツアーの目印であるこのオレンジ色のダウンを脱いでもらえば、上がって良いよ」
茂さんの一言で、目の前の道が開けた。
駐車場で夕陽を待つ皆さんを背後に、僕は天上へ向かった。
そこは、まるで天と地、あの世とこの世を分ける空間が広がっていた。
9年前には分からなかったことが、今なら手にとるように感じられる。
ここだ。
僕は財布の中から小さなジップロックを取り出し、その中の白い粉を大地に蒔いた。愛すべき男フージオの遺骨だ。
手を合わせ、祈る。
「フージオ、元気ですか?」
手がぼわっと熱くなり、瞼が真っ赤に染まる。
自然と涙が溢れ、とめどなく頬へ流れ落ちていく。
「すべてのものは完璧な状態で繋がっている。あの世もこの世も、天も地も、フラクタル構造で繋がっている」
そんなイメージが、脳裏に浮かび、僕は膝をついた。
風が止む。
ゆっくりと眼を開けると、マウナケアの影が、ピンクの雲に浮かんだ。
影富士ならぬ影マウナケア。
「フージオ、そこにいるんだね」
僕の問いに答えるかのように、また風が静かに吹き始めた。
                  ノムラテツヤ拝
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