写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

神代の世界

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南アフリカから友人のコンラッドが遊びに来た。
ちょうど桜のシーズン。彼はあまりの日本贔屓で、自分の犬にもサクラと名付けてしまうほど。
「今しか見られない景色を一緒に見よう!」と、僕たちは山梨県を目指した。
数年前、僕は1年ほど富士山の3合目に暮らしたことがある。その時の経験を生かし、まずは糸桜へ。
外国人にとって、一般的に桜は「ソメイヨシノ」と思われているが、日本には200種以上の桜がある。
それをコンラッドと一緒に体験したかった。
勝沼ICで降りて、慈雲寺へ。その境内に、まるで雨のように降る桜がある。
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コンラッドは、その大きないのちを見上げ、ため息のような感嘆の声をあげた。
日本は美しい。境内には、和の心が至る所に充満し、彼が解放されていくのが分かった。
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そして、途中で流行りの信玄餅アイスを頬張ってから北杜市へ。
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「間に合った・・・」
見事な満開風景。
ここに日本で、いや世界で最も古い桜がある。
「神代桜」。樹齢は約2000年だ。
「どうやって木の年齢が分かるんだい?」
「まずは樹皮をカーボン14にかける。でも古木は中央が空洞化しているから、本当の樹齢を計るには、統計学を使うしかない。幹回りや樹皮に含まれる油分などをね」
最近は、それらに遺伝子学も加わり、さらに詳細な樹齢が分かるようになってきた。
世界一の古木とうたわれた屋久島の縄文杉も、実は7000年ではなく2700年~3000年であり、最古の木はアメリカのブリスルコーンパイン(樹齢約4000年)だと分かったのは有名な話だ。
神代桜はエドヒガンザクラ。これにオオシマザクラがかけ合わさってソメイヨシノが生まれた。
つまり、日本の桜の親分と言うわけだ。
日本で2番目の桜の古木は我が故郷の淡墨桜。これも同じくエドヒガンだ。
桜の花びらがヒラリ、ヒラリと回転しながら落ちてくる。
「これは、きれいですね」
覚えたての日本語を、コンラッドがとつとつと話す。
周りにいた人たちも、それを聞いて、やわらかに微笑んだ。
立派な一本桜。
その周囲には、幸せが渦巻き、そして波紋のように広がっていく。
                   ノムラテツヤ拝
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