写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

クリムト

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セセッション(分離派教会)の地下にクリムトがベートーベンのために描いた壁画がある。ひとたび部屋に入るなり、圧倒的なエネルギーに包まれる。
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「人類の幸福とは?」
ぐるりと囲まれた3辺の壁に、クリムトの答えがあった。
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今までの歴史、そしてこれからの歴史、その不変な生死が緻密な計算のもと配置されている。
一言で形容すれば、これは死ぬまでに絶対に見ておくべきものだ。
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レオポルト博物館では、クリムトの名作「生と死」を見てから、風景が素晴らしさに驚愕させられた。
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個性を出す、または個性を消す。
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その両極の追及の末の作品だったのだ。
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だから、ヌードの絵の前に立てば、女性の体から匂い立つような香りがするし、風景画の前に立てば
。自分がその現場にいるような臨場感が生まれる。
そしてラストがベルベデール宮殿。
ここにクリムトの最も有名な作品「LOVERS(The Kiss)」がある。日本では接吻で知られるゴージャスな絵。
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一目見て吸い寄せられるのは、やはりこの黄金色と配置の妙だろう。
過去に誰も似た人はいず、以降もまたクリムトに似た人はいない。
ガールフレンドのエミリアとの接吻。ほのかにピンクに染まる彼女の頬。
この絵もまた、匂いたつ色気が絵の中から飛び出してくる。
個性を全開にし、そしてそれから消し去っていく作業、それら相反する世界を一つの絵に封じ込めた名作。だからこの絵に介在者がいないのだ。
バックは色を重ねているのかと思い、近づいてみると、あまりに薄く塗られていて驚いた。薄く、でも重厚に見せる神々しさ。
作家の息遣いまでもが聞こえてきそうだった。
               ノムラテツヤ拝
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