高嶺の山2016-09-21 Wed 12:36
![]() 自然は母性のゆりかご。 山々をもし性別で分けたら、やはり女性になるのだろう。 山岳信仰にも女人禁制も多いことだし。 大好きな山岳民話がある。 富士山というプライドの高い女性の神様と、八ヶ岳というおっとりした女性の神様。 富士山が神様に聴く。 「わたしたちのどちらが高いの?」 神様は困って、半分に割った竹を富士と八ヶ岳の頂に乗せて、真ん中から水を流した。 すると富士山の方へ水がしたたり落ちてしまう。 激怒した富士山は八ヶ岳を許せずに8つに割ってしまう。そこから八ヶ岳と富士は仲が悪くなり、どちらが見える日は、もう片方は雲の中に隠れてしまうという。 グリンデルワルトから、車を列車に乗せてショートカット。ツェルマットの最寄りの村・タッシェの駐車場に車を置いた。 ![]() ここから先は排気ガス規制のため、車の立ち入りが全面禁止されているのだ。 ![]() タッシェから列車でツェルマットに入ると、そこは一大観光地だった。 ポックポックと石畳の上を馬車が走り、世界中のブランド店が所狭しと並んでいた。 ![]() 教会から宿へ登っていく道で、初めてここを世界観光地に知らしめる張本人、マッターホルンを遠望した。けれど雲が巻いているため、頂上付近は隠れていた。 夕方、撮影に出掛ける。 マッターホルンのエネルギーを感じ、それに少しずつ近づけていく。 初めての山ってやっぱり難しい。 ![]() 近づいた、ピッタリ合った、と思っても何故かずれる。 どうしてだろう。 再度、ゆっくりと合わせていくと、ズレる意味が分かった。 マッターホルンが、合わせたと思うと、するっと変化して、また別の気を纏うのだ。 まさに高嶺の花・マドンナ。 ![]() プライド高き、富士山タイプなのだろうか。 太陽がどんどん地平線へ近づき、最後まで僕はマッターホルンにもて遊ばれた。 てっぺんは一度も見せてもらえず、燃える雲だけが印象に残った。 ![]() 「一筋縄ではいかないな」 帰り道、ツェルマットの夜景を見ながら呟いた。 何か変化をつけてみよう。 明日の朝、出直すことを決めて、僕は宿へ戻った。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
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