写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

至高の猟師店

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浜松駅を下りると、人ごみの中、優しい笑顔が待っていた。
今まで福音館書店でたくさんのふしぎを5冊担当させてもらったが、僕の想いを汲んでいつも具現化してくれた名物編集者Eさん。
そして階段を下りると、そこには見慣れた顔のひろちゃんが立っていた。
今日はEさんが昔から通い続けている伝説のジビエ店へ。
雨の中、タクシーを飛ばしながら、会話に花が咲く。
こういう時、僕は至上の幸せを感じる。
年上の伝説というべき人たちが交わす会話。そこ、ここに僕の知らない智慧が散らばり、僕はそれらをひとつひとつ拾っていく時間。
Cという名の店へ入ると、これまた伝説の猟師Kさんとその息子たちが待っていてくれた。
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まるで秋神三兄弟みたい。
まだ僕が20代だったころ、岐阜県飛騨の秋神温泉で、こんな輝くような筋肉を持つ兄たちと山を駆けずり回った。あの時の思い出が走馬灯のようによぎっていった。
今日はKさんお任せの旬料理。
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料理で最も美味しいもの、それは家庭料理、旬、野生の組み合わせ。
まさに巷でジビエと呼ばれているものだろう。
最初に出されたのは、ニホンジカのモモ。それらを勿論ニンニク醤油で頂く。まるで極上の赤みのマグロ。とても獣肉とは思えないほど上品かつ気品が立っていた。
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「こちらになります」
息子が持って来てくれたのは、イノシシ肉の薄切り。
その圧倒的な美しき色に目を奪われる。
息子がシャブシャブの見本を見せてくれ、どうぞと促す。
「この筋肉は、イノシシと関係があるんですか?」
「はい、毎日食べています」
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「おぉぉ~、やっぱり」
食べると、もう圧巻。かすかにどんぐりの味がする。そして思い出すのは極上のイベリコ豚の生ハムだ。それよりも美味い。特に脂の溶け方、深みに倒れそうになる。
ひろちゃんもガツガツいく。
「これがボタン(イノシシ)って信じられないな、てっちゃん」
「え~っと、実は僕、岐阜県民なので、昔からボタン鍋とかシシ肉は食べてきたんです。でも・・・・・これは格が違いますね。圧倒的にウマイ。きっと下ごしらえの処理がまったく別次元なんだと思います」
「野村くん、撃つところから違うんだよ、ここは。罠にかけて、生け捕りだから。決して鉄砲の玉は使わない」
なるほどの味だった。
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そしてイノシシのスペアリブをむしっているところで、天然アユ。
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久しぶりの味の乗ったまろやかでホクホクした清流の藻の味がした。
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そして、ラストが鴨のモモ焼き。
こんがり、カリカリに焼き上げられ、一口食べた瞬間、僕は叫んだ。
こんな野性味あふれる鴨なんて、食べたことが無い。
溢れる肉汁、そして固めの肉から噴き出る滋味。もう少しで白目をむいて昇天してしまうところだった。
こんなに美味しいものを、そして大好きな先輩方と。
僕は嬉しくて、嬉しくて、トイレに行った隙に、お会計をすませた。
これくらい払わせて下さい。今までお2人から貰ったものに比べたら、僕は一生払い続けても、おつりがきます。
翌朝、起きた時の感覚を僕は生涯忘れないと想う。
体の周りに野生の氣が、クルクル、クルクルと回っていた。
                  ノムラテツヤ拝
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