憧れの杉2016-10-27 Thu 19:06
![]() 憧れの屋久杉があった。仮に名前をRとしようか。 その杉は、一般登山者禁止の道沿いにあるという。 数年前にひっそりと参道は整備され、今も原始の屋久島の姿を留めていると聞けば、行かないわけにはいかない。 写真家として取材申請をして、何度かやり取りした末、ようやく許可が下りた。 笑えるほどガタピシのオフロードを走ったところが登山口。整備された道を一気に登ると、30分ほどで山の中へ入っていく。殆ど人が入らない道は、石の上にビッシリと苔がはびこり、上へ上へ続いていた。 屋久島はあまりに森が深いため、人が手を入れなければ、すぐに苔むす森へ還っていくのだ。触ってみると、ふっかふか。キラキラ光る雫が手の上で踊った。 ![]() 猟師が置いたのだろうか?途中の岩の上に、ヤクジカの骨が綺麗に並べられていた。 ![]() 確実に進む季節。森はゆっくりと秋へ向かい、もみじも黄色く色づいていく。 ![]() 樹幹が腐りトンネルになっている巨木や、天へ突き上げていくような立派な一本杉。僕はそのひとつひとつに「美しいね」と声をかけていった。 ![]() だからだろうか?森が僕の波長に合わせてくれ、力を使わずとも引っ張り上げてくれる。スイスイ、スイスイと上がっていける。 ![]() 登り始めてから3時間弱。 僕は目的の杉の前に立っていた。 ![]() ![]() 威風堂々、そして妖艶さを纏った屋久杉「R」。 ![]() ぐるりと回ってみると、立ちすくむような光景が現れた。 森の中を、まるで生き物のように霧が静かに舐めていく。 すべてのものが、僕たちをじっと見つめていた。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
コメント
屋久島の杉というのは、一本の樹というよりは、巨大なうねりの集合体のようですね。
命の螺旋の現れに思えてきます。 それにしても屋久杉R、凄いですね。 何故だか、マチュピチュのマザーロックを思い出しました。 2016-10-28 Fri 23:26 | URL | ずま [ 編集 ]
なるほど、さすがですね。
マチュピチュのマザーロックと重なるなんて。 ずまさんは凄いなぁ~ 2016-10-31 Mon 16:20 | URL | 野村哲也 [ 編集 ]
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