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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

イグアスの瀧

JALの取材で、世界三大瀑布の“イグアスの瀧”に来ている。
悪魔の喉笛(c)

北の空に積乱雲が迫り、雷の音がする。
軽い夕立か、それとも本格的に天気が崩れるのか?
空港でレンタカーを借りて、国立公園のオフィスに向かった。
今日の満月ツアーの詳細を聞かせてもらうと、レンジャーは口々に「夜になれば、雲は晴れて、ツアーは出来るわ」と豪語する。
よっし、その気持ちを信じよう。
満月ツアーは3つの時間帯がある。
20時、20時45分、21時30分。ツアーの所要時間は2時間だ。
予約を入れたほうが良いかどうかを尋ねると、今の季節は観光客でいっぱいだから予約は必須。ツアーの最大催行人数は120名だという。
そんなに人は集まるのか? 3年ほど前に、おとう、おかあと参加したときは、ものの15人くらいしかいなかったのに。
あの時との違いは、ツアーの巡る場所だった。おとう、おかあたちの時は、インテリオールと呼ばれる瀧周遊路を巡り、今回は2年前から始まった「悪魔の喉笛」での満月ツアー。
イグアスの瀧屈指のポイント、悪魔の喉笛が月光に照らされる。考えただけでもワクワクしてしまう。プエルト・イグアスの町で宿を探し、木で作られたコテージのような場所を選んだ。
荷物を降ろし、少しゆっくりしてから、国立公園へ電話する。
「今日の満月ツアーは、ありますか?」
答えはイエスだった。
北の空は、すっかり空け、晴れ間が戻ってきた。
東の空には、薄い虹も出ている。
やっぱりさっきの雷は、浄化の雨だったんだ。
夕日が地平線へ沈む頃、反対側から黄色っぽい、大きな満月(13夜)が昇ってきた。
スーパーで買出しし、すぐに、イグアス国立公園へ車を向けた。
出発は21時30分だったけれど、出来るだけ早く満月ツアーに参加したくなったのだ。園内で21時30分発を最初の20時発に変えてもらう。そして、月光照らされる国立公園内へ足を踏み入れた。
月によって作り出される自分の影を見ながら、先をゆくと、緑色の光が目の前を飛んでゆく。
「おぉ~、これってスペイン語でなんて言うんだっけ?」
「ルシエルナガス」と現地民。蛍が、目の前をポーンポーンと明滅しながら、飛んでゆくのだ。
マチュピチュの夜に見た蛍も感動したけれど、イグアスでも見られるとは。
ガイドと共に、トロッコ列車の駅へ歩いてゆく。
公園入口からの参加者は20人くらいだったけれど、駅にはわんさか人がいた。細かく言うと、このツアーは、夕食込みツアーとツアーのみの2パターンがある。
夕食込みのツアーは95ペソ、ツアーのみは50ペソだった。
(レートは1ドル=3.4アルゼンチンペソ)
食事を終わらせて人たちが、駅で待っていたのだ。
まずはレンジャーのガストンからレクチャーを受ける。
イグアス国立公園は72000ヘクタールの大きな公園で、イグアスの瀧の満月ツアーをしているのは、ここだけ。危険なので歩きながらフラッシュをたいて写真を撮らないこと。野生動物たちは寝ているので、静かに見ること。園内は全て禁煙。ツアーの参加者は全部で60人くらいに膨れ上がり、それぞれトロッコ列車へ乗り込んだ。
空には星がまたたき、オリオン座や南十字星が、煌めく。
あっ、流れ星だ。トロッコ列車が動き出すと、森の中は蛍の光で溢れた。
竹林を通り、バニラのような甘い香りのする木を越し、揺られること30分。
ガルガンタ デル ディアブロ(悪魔ののどぶえ)駅へ到着し、そこから今度は鉄筋で作られた道を1.1キロほど歩く。月光により、陰影が強くなり、モノトーンの世界。色を持っているのは、黄色い月だけ。瀧に近づくにしたがって、どんどん轟音が響いてくる。そして雲のような飛沫が大量に天へ押し上げられてゆく。
月は前方。頭の中は疑問だらけだった。
「こんな月の位置でどうしてナイトレインボーが出るんだろう?」
虹は自分を通して反対側に出きるもの。
おそるおそるのどぶえの展望台へ行くと、そこには怪しくプラチナ色に光る瀧の流れがあった。爆発的な流れ。が、虹はどこを探してもなかった。
撮影をしながらも、虹を追ったが、ない、ない、ない。
そのうちに戻る時間になってしまった。
後ろ髪引かれる想いで戻ってゆくと、次の20時45分隊が、向こうから歩いてきた。しめたと想い、その隊へ紛れ込む。そして見て戻り、途中でまた次の隊へ紛れ込む。
20時からイグアス国立公園へ入り、出てきたのは夜中の24時だった。
月は刻々と色と高さを変えて、瀧を色づけてゆく。でもやはり虹は出なかった。
おとう、おかあと一緒に行った時は、この場所じゃなかったから何とも言えないけれど、サルト・グランデという所で、ナイトレインボーをみんなで見た。
悪魔の喉笛には出ないのだろうか?
とにもかくにも、まだ初日。
あと数日あるので、レンジャーや旅行社の人たちに聞きながら、満月と虹と瀧を追い求めたい。月光のイグアスは、想像を遥かに超えた美を誇っているのだから。
今日は、午前中はゆっくりして、午後から瀧へ。そして夜は、また満月ツアーへ出かけようと想う。
JALの機内誌の取材でやって来ているけれど、自分の撮りたいものも大切にしないと。
アナグマ(c)

朝はまだ涼しかったけれど、11時の今、プエルトイグアスの町は灼熱になってきた。
直射日光は尋常じゃなく、すぐ黒焦げ・丸焦げになってしまう。
テラスからマンゴーの木が見え、さっき熟したものを拾ってきた。
冷蔵庫でキンキンに冷やして、食べてみようっと。
                                  ノムラテツヤ拝
満月と悪魔の喉笛(c)
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テーマ:自然の写真 - ジャンル:写真

アルゼンチン | コメント:2 | トラックバック:0 |
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コメント

満月ツアーは、確か1日違いで開催されず、行けませんでした。もし行けたら、こんな素敵な世界にであえたんですね。
2009-02-12 Thu 22:31 | URL | toko [ 編集 ]
満月の光は不思議ですね。全てのものを怪しく冴え冴えと見せてくれます。もし今度行かれる時はぜひ満月の時を狙って下さいね。
2009-02-13 Fri 03:55 | URL | Tetsuya nomura [ 編集 ]

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