写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

写真のちから

しげるさん

今日は朝から原稿を3本書き上げ、土曜日のトークショーの準備も終えた。
溜まっていた雑務を片っ端からかたずけ、8月からアテンドするペルー旅の予定表や参加者リストも作って送った。
なんでだろ。いつもよりも仕事が早い。
外から入ってくるそよ風に、肩をトントンと叩かれる。振り向いて空を見上げると、ダメ。
やっぱり涙が溢れて止まらなくなる。
しげるさんに「コラッ、シッカリしろ」と怒鳴られたいな。
昨日は三兄弟とも話し、しげるさん最後の秘話を聞き、ここまで涙って出るんだと泣きじゃくった。
「とうさんの子供で良かった。本当にさ」
次男としくんの言葉に、胸が締め付けられ、涙は滝に。
「迷惑ばかりかけてごめんな」
繁さんが亡くなって3分後、としくんが耳元でそう呟くと、心電図に一つ二つと山が出来、また平らになった。
病室には、最近撮られた写真がプリントされ、それらが積み重ねられていた。一枚、一枚見ていくと、写真の力を感じた。
一番素敵な写真家はプロじゃない。一番身近にいる人だと思う。
その人がシャッターを押すとき、慈しみと愛情に抱かれた空間が作られ、穏やかで力強い写真が生まれる。
限りなく優しく、だからこそ、限りなく強い。
しげるさんが旅館で倒れる1時間前に撮られた、長男のりさんの写真は、そんな愛情深い時間が封じ込められていた。
           ノムラテツヤ拝
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

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