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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

ミルクの意味

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アムステルダムの町中から路面電車に乗って、国立美術館へ。
威風堂々としたレンガ作りの建物、中は目を引くダッチデザインで構成されていた。
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レンブラントの最高傑作といわれる「夜警」の前には人だかり。のぞき込んで間近で見てみると、その精密さに押し返されるような氣を感じた。
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そのすぐ脇に、今日ここに来た目的の作品が。
フェルメールの「牛乳を注ぐ女」だ。
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一目見て、周りの空気感が違うことに気づかされる。
吸い込まれるように近寄ると、キャプションの解説にはこう書かれていた。
「この絵は二本の斜めのラインに沿った構図で描かれており、ラインは女性の右手首で交差している」。
だからこそ、見た者は知らぬ内に牛乳へと視線が寄ってしまうのだろう。手を伸ばせば、まるで女性に触れられそうであり、フェルメール自身が消えている。
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それこそが、フェルメールが人生を賭けて求めたことではなかったのか?
「自分という存在を消し、時間や空間という垣根を取り払う」
ただ、ミルクを使うということは、この時代、性的な意味も必ず隠されているはず。絵を丹念に見ていくと、足温器の背後にキューピッドと長い棒を持つ飾り絵のタイルが描かれていた。足温器は、女性のスカートの中を温めるもの。だからこその周りに性的な描写が隠されていることが多い。
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それにしても、見ればみるほど、見事な構成だ。
左側の窓から光が差し込み、女性に陰影を与える。机の上にはブレッドプリンを作るのか、大きめのパンとミルクが繊細に注がれている。ウルトラマリンのエプロンと淡い山吹色の服、そして右の空間と足温器へ視線が放たれていく。
       ノムラテツヤ拝
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

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